25.パリ (旅行記1)
私は2月の中旬、パリに行った。
バレエを15年間習っていた私にとって、
長年の憧れの場所だった。
大学のサークルの仲間と
パリの前にエジンバラに滞在していたわたしたちは
約2時間のフライトを経て
シャルル・ド・ゴール国際空港に降り立った。
はじめてのフランス。
美しい街並み、美味しい料理を期待。
ワクワクした気持ちでいっぱいだった。
しかし、いきなりトラブル勃発。
5日間ほど限定の乗り放題カードを買おうとした。手持ちの現金をエジンバラで使い切ってしまっていたわたしはクレジットカードしかなかったので、それで払おうとした。
しかし!なぜかクレジットカードが使えないのだ!
困った!
おろすこともできない!
幸い、サークルの先輩に借金することができたので、助けられたのだが、この先どうしようという不安でいっぱいだった。
フランスで可愛いものたくさん買おうと思ってたのに…
しょんぼりしながら、とにかくみんなで
ホテルの最寄りまで電車に乗った。
大きなスーツケースを持って乗った私たちは
電車の中で駅員さんらしき人に
注意書きのカードを配られた。
それには日本語でも書いてあった。
手元にないのでニュアンスだが
「携帯電話を狙われる事件が多いので、電車の中では携帯電話はあまり取り出さないように」
というようなことが書いてあったのだ。
はじめてのフランス。治安の心配はもともとしていたが、改めてこんなこと言われると不安に駆られる。
とにかくパスポートとクレジットカードは首にかけて服の中に入れて、携帯電話もポケットに入れずにしっかりとしまった。
そんなこんなでホテルの最寄りに着いた。
リュクサンブール公園の近くだ。
ただの街並みなのに、もう美しい建物がたくさん。
美味しそうなマカロンのお店。
チョコレート屋さん。
ただのスーパーさえも可愛い。
ホテルも小さいし、壁が薄いし、階段は歪んでいるけれど、なんて可愛いんだろう!
部屋は一つ上の女の先輩と同じ部屋だったが
大きなベッドが一つだけ。しかも、よくわからないくらい沈む…
思わず笑ってしまった。
幸い大きなベッドだったので、二人でも窮屈することなく眠ることができそうだった。
着いたのは14時くらいだったと思う。
スーツケースを開けて、荷物を整理していると
二つ隣の部屋にいるはずの同期の男の子たちの声がめちゃくちゃ聞こえてきた。
なんで壁が薄いんだ!
それに、その部屋にいる同期の一人にWi-Fiを預けていたのだが、壁が薄すぎてちゃんと自分の部屋にも届いてくる。
夕方になり、みんなで散歩をして夕ご飯を食べに行こう、という話になり、出かけた。
降りた先は、パリ・オペラ座の最寄駅。
まさに私が、ずっと憧れていた場所だ。
同期と先輩と、7人ぐらいで散歩をしながら、ポンドをユーロに変えられる場所を探し、私は未だにカードが使えなかったので、しょんぼりしながら、夕ご飯のお店探しをした。
パリでの初めての食事。
パリ・オペラ座近くに美味しそうなお店を見つけたので、みんなで入った。
どれを食べても美味しかった。
フランス語は全くわからなかったので笑
みんなで勘で選んで食べたのだが、幸せな気持ちでいっぱい。
そのあとオペラ座まで歩いた。
大きくて、細部まで本当に美しかった。
どっしりと構えるその姿。
世界中のたくさんのバレエダンサーが、きっと今も、
この場所に憧れている。
エトワールになるため。
わたしは今はバレエをやめてしまったけれど、
今でも観るのは大好きだ。
なんなら、また始めたいと思っている。
今度パリに来た時は、
オペラ座で公演を観たい。
そう思った。
わたしはオペラ座の前で、
日本にいる母に電話をした。
今、オペラ座にいるよ!すごいよ!
あと、カードが使えない!どうしよう!
といったようなことを。笑
調べると、フランスでカードが使えないのはよくあることだと言う。時間帯によることもあるらしい。
わたしは翌日、無事にカードを使えることになるのだが、それまでは少し不安なまま過ごすことになる…
みんなでホテルに戻ってきて、
次の日はどこに行こうか、という話になった。
3年の先輩が、パリのディズニーに行きたい!
と言い始めたのだ。
ディズニーに行かずに、パリの街を散歩するのもいいな、と思ったが、周りの空気に流されたのもあり、チケットを代わりに買ってくれるという優しい先輩もいたのもあって、わたしはディズニーに行くことになった。
パリのディズニー。
あの可愛い、ピンクのお城があるディズニーだ。
ドキドキした。楽しみだ。
その夜、カードが使えないの不安もありつつ
自分は今パリにいるのだ!という喜びに包まれ、
幸せな状態で眠りについた。
ちなみに、パリに約5日間滞在した私たちは
NAVIGOと呼ばれる、電車やバス乗り放題カードを買ったのだが、パリの改札は日本の改札のように正確ではない。
ピッとタッチするのだが、
全員で15人ほどで移動していた私たちは
誰か必ず一人は、反応せず、改札を通れない!
しかしそれは私たちだけでなく
普段パリで生活しているフランス人たちも同じだ。
彼らを見ていると、反応しない時は
改札を強行突破していた。笑
そんな技も身につけながら、
私たちは4泊のパリをなんとか楽しむこととなる…
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