たまにはマンガの話を
職業は図書館司書で本を読むのが好き、というと「じゃあマンガとかより活字のほうが好きなの?」と聞かれることがある。
そんな時、「いや、マンガもめっちゃ好き!!!」と食い気味で答えてしまうほど私はマンガを読むのが大好きだ。
そういうわけなので、今回は最近読んだなかで面白かったマンガを紹介させてほしい。
2020年に出版され、マンガ大賞2021では第3位に選ばれるなど、数々の賞にランクインしているこちらの作品。
面白いマンガとして以前から有名だったので、一刻も早く読みたいと思っていた。
けれど、読みたいマンガが多すぎるのと、読むスピードが遅いのとでなかなか手が出せず、つい先日やっと読むことができた。
私は天邪鬼なところがあるので、以前は「世間で話題になっているものには極力手を出さないぞ」という意識があったのだけれど、今は面白そうなものはなんでも見てみたいと思うようになった。
世間で話題になっているものには、話題になっている理由がきちんとある、ということを知ったからだ。
それを知るきっかけになったのが『鬼滅の刃』。
ちょうどコロナ禍あたりの時期に大ブームとなったが、そのときの私は「意地でも見ないぞ」という気持ちでいた。
しかし、鬼滅が大好きな友人がいて、彼女から猛プッシュされる形で渋々アニメを観てみたのである。
面白すぎて一気見してしまった。ストーリーがよくできているし、キャラクターもみんな魅力的だ。
私は鬼滅を遠ざけていたのを後悔した。
意地なんて張らずにもっと早く見ておけば良かった、と心の底から思った。
あのとき勧めてくれた友人には感謝しかない。
そういうこともあって、各方面からおすすめされていた『カラオケ行こ!』は絶対に読みたいと思っていたマンガの一つである。
あらすじを一言で説明すると、ヤクザが合唱部の中学生に歌のレッスンをしてもらうお話だ。
これだけでもう面白い。
ところで、なぜヤクザが歌のレッスンを?
というのも、組長主催のカラオケ大会で最下位だった者は、組長の手で刺青を彫られてしまうのだ。
組長は絵心がない上に、彫りの腕前は素人レベル。
刺青を免れるためには絶対にカラオケで高得点を出さなければならない。
そんななか、歌の指導者を探すために中学生の合唱コンクールに偵察に来ていたヤクザの成田狂児。
そこで狂児の目に留まったのが主人公の岡聡実である。
登場人物たちによる関西弁の絶妙なやりとりに引き込まれた。
面白くて、ページをめくるたびにクスッと笑ってしまう。
ちなみに狂児の十八番はX JAPANの『紅』。なんとなく頷ける。
そうかと思えば、組長が西野カナ好きという笑わずにはいられない設定。
西野カナを歌う強面の組長…
ちょっと好感度が上がってしまうかもしれない。
そもそもカラオケ好きの組長ってなんだ(笑)と思っていたところ、本編の後に収録されている描き下ろしがその種明かし的な内容になっていて見事だった。
リビングの本棚に『カラオケ行こ!』を置いていると、普段マンガを読まない母から「このマンガ読んだよ」と言われ驚いた。
母の好きな芸能人が面白いと言っていたので読んでみたらしい。
母曰く「一巻で終わるからサラッと読めてよかった」とのこと。
内容についての感想を聞かせてくれよ、と思ったが普段マンガを読まない人からもよかったと言ってもらえたのは嬉しい。
そしてなんと、このマンガには続編がある。
タイトルは『ファミレス行こ。』。
大学生になった聡実は、ファミレスでアルバイトを始めることに。
狂児も再び登場し、新たに個性あふれるキャラクターたちが増えるとのことで、さらにパワーアップしたストーリーが期待できる。
続編も気になりすぎる。
2024年6月現在、『ファミレス行こ。』は上巻が発売中なのでこちらも早く読みたいところだ。
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