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「#これからのインフルエンサー」イベントレポート〜インフルエンサーと企業の垣根を越えて モデレーター・福間昌大の総括〜

「#これからのインフルエンサー」イベント概要

ここ数年で、主にSNSを通じて企業の商品やサービスをPRするインフルエンサーと呼ばれる人々が次々と現れています。それに伴いインフルエンサーマーケティングという手法が生活者と企業を繋ぐ新たな架け橋となりました。一方で、インフルエンサー及びインフルエンサーマーケティングを取り巻く市場では様々な課題も生じています。単純にSNSのフォロワー数によりPR費用が決定される価格設定、PRであることを隠して行われるステルスマーケティング問題や、それらを扱うインフルエンサー専門プロダクションの在り方も問われています。
今、インフルエンサーの市場はどうなっているのか?そして、企業はインフルエンサーとどう向き合っていくべきなのか?モデレーター:テテマーチ株式会社 福間昌大が、インフルエンサー界隈のスペシャリストとともに5日間を通して紐解いてきました。

──イベントレポートの最終回となる本記事では、5日間に及ぶ「#これからのインフルエンサー」で登壇していただいた合計11名のスピーカーとのセッションの中でモデレーターの福間昌大が見つけた「これからのインフルエンサー」の在り方とそれに向き合う企業の姿勢についてお届けします。

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モデレーター・福間昌大の総括

福間:5日間に及ぶイベントを通して、タレント事務所やPR会社、インフルエンサー、広告代理店と様々な立場からインフルエンサーマーケティングに携わられている11名の皆さんにお話をいただきました。

その中で何故、フォロワー数やリーチ数だけでインフルエンサーを見てしまうような事が起こるのかについての仮設が浮かびました。それはインフルエンサーに対する捉え方や認識が業界によって微妙に異なっているのでは?ということです。


言い換えれば、各業界が持つバックグラウンドによりインフルエンサーマーケティングの「流派」があるのではないかということです。

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インフルエンサーマーケティングの流派

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PV数やエンゲージメント数などのウェブ上での数字を重視するデジタル広告代理店は「リーチ・メディア」として、タレントや芸能人をマネジメントするタレント事務所は「タレント」として、PR(Public Relations)の視点からニュースを情報を世の中に広めていくことを生業とするPR会社は「ニュースネタ」として、自ら創作活動を行うクリエイターは
「コンテンツ」としてインフルエンサーを捉えているのではないかと感じました。
これらは総称するとインフルエンサーの「流派」と呼べるかもしれません。

そして今回のイベントを主催した私たち「餅屋」は、「インフルエンサーは人である」という考えを掲げています。

5日間のイベントに登壇いただいたスピーカーの皆様も立場や視点は違えども、「インフルエンサーはあくまで人」という考えに共感いただき、またその理念に基づき普段から活動をされている方々でした。

しかしながら、先程挙げた「フォロワー数」などの指標のみに注目し、インフルエンサーを人ではなく、「数字」「記号」としてしか見ていない風潮も現実問題としてまだまだ存在していると考えています。

インフルエンサーは情報を広げる拡声器でもなければ、コンテンツを量産するマシーンでもありません。現実に存在する一人の人間であり、想いや個性を持っています。
インフルエンサーを「SNSでのフォロワー数が多い人」「特定のコンテンツを作れる人」という風に認識するのではなく、あくまで一人の人間として認識し向き合うことが大切なのです。

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登壇者の皆さんからは、インフルエンサーと共に仕事を行う際に大事にされているポイントやその姿勢を伺うことができました。

・「企画の意図を説明する」
・「クライアントからのフィードバックをしっかりと伝える」
・「インフルエンサーとクライアント同士の対話の場を儲ける」...etc


これらの行動は普段の仕事では基本として心がけていることのはずです。
しかし、インフルンサーマーケティングにおいては、フォロワー数などの数字ばかりに注目が集まり、その基本が忘れられてしまいます。

すぐ隣にいる会社の同僚には当たり前にとる対応が、インフルエンサーに対しては出来ない。インフルエンサーという肩書きを通すことで、向き合う相手が1人の「人」であるという前提が抜け落ちてしまっている事例を数多くを目にしてきました。

通常の仕事では、より良いコンテンツを作っていくために当たり前にやっていることを、インフルエンサーとのコミュニケーションでは忘れてしまいがちなのではないでしょうか?人とのコミュニケーションであるということを、改めて意識して丁寧にコミュニケーションをとっていくことが、これからのインフルエンサーマーケティングにおいては大切なのだと思います。

これからのインフルエンサーと企業

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また、数多くの企業の皆さんとインフルエンサーを起用した施策に取り組む中で、インフルエンサーの在り方が多様化していることにも気付きました。現在の「インフルエンサー」はただ単に「SNSのフォロワー数が多い人」ではなく、「マーケター」や「クリエイター」、「クリエイティブディレクター」としても活躍しうる存在になってきています。

従来のインフルエンサーマーケティングは、広告代理店が「企画」を立て、インフルエンサーは指示された企画を内容通りに行い、SNS上で商品やサービスを「広める」役割を担うという構図が一般的でした。

しかし、現在ではインフルエンサーがプランナーとして企画に参加するケースや、広告代理店の方でもご自身がSNSでのフォロワー数を獲得し、インフルエンサーとして活動されている方なども出現しており、「作る人」と「拡げる人」の垣根が崩壊しつつあります。

 
これからの時代のインフルエンサーは、SNS上での活動やコンテンツを投稿するといった表舞台での活動だけでなく、企画やキャスティングなどインフルエンサーマーケティングの裏舞台にも携わり、表も裏も一気通貫して関わることが、スタンダートな在り方となってくるのではないでしょうか

それらの流れが加速した先には、企業とインフルエンサーはひとつのチームとして構成され企業の課題解決等に、立場の垣根なく共に向き合うことが一般的になると考えます。

それぞれの関係者が、各自の強みや視点を持ち寄りながらも、フラットに意見を出し合い、チームとしてバリューを発揮することで、本質的な課題解決や高い成果が生まれていくことでしょう。

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かつてのインフルエンサーマーケティングはフォロワー数により価値が判断され、SNSに商品の写真を投稿するだけで報酬が支払われるようなものが溢れていました。
それらの価値観や手法は、以前よりは減ったとはいえ、まだまだ存在している現実もあります。

しかし、文脈を無視し、情報の受け取られ方をイメージしないで行われるインフルエンサーマーケティングは企業にとってプラスになるどころかむしろマイナスに働き、インフルエンサーの信用やイメージも損ないます。つまり、関わった人間すべてを不幸にしてしまうのです。

我々『餅屋』はそのような手法が存在している現状に疑問を投げかけます。
課題の本質を見極め、インフルエンサーと共に課題と向き合い、インフルエンサーの特性や商品・サービスの特徴を捉えながらコンテンツを作って広める。
それこそが、インフルエンサーマーケティングの本来あるべき姿です。インフルエンサーは「メディア」でもなければ「拡声器」でもありません。共に課題に立ち向かう仲間であり、一人の人間です。

「インフルエンサーに人として向き合うこと」「立場の垣根なく課題に向き合い、共に企画を共創すること」それらが欠如したインフルエンサーマーケティングは、表面上の結果は出たとしても、本質的な課題の解決は成し得ないと考えます。


5日間のイベントレポートを含める、全6本のレポートを最後までご覧いただき誠にありがとうございました。
『餅屋』のビジョンに共感いただいた企業の皆様からのご相談やクリエイターの参画を我々はいつでもお待ちしています。

SNS領域での数多くのインフルエンサーマーケティングを手掛けてきた、『餅屋』のプランナー・ディレクター陣と多種多様な個性と強みを持つ『餅屋』のインフルエンサーと共に課題解決のお手伝いをさせていただければと思います。

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餅は餅屋へ。
SNS時代のプロモーション企画集団『餅屋』を今後ともよろしくお願いいたします。

餅屋公式サイト:https://tetemarche.co.jp/mochiya/

イベントレポートの全レポートはこちらからご覧ください↓

イベントモデレーター:福間昌大

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テテマーチ株式会社 コミュニケーションデザイン室
1990年生まれ。学生時代、クラブイベントやファッションショーの運営を経験。大学卒業後、2社を経てテテマーチ株式会社に入社。同社にて、企業のSNSコミュニケーションの企画提案、及び自社のマーケティング企画等を兼務。アドテック2019・2020公式スピーカー、個人の活動としては、20代のマーケターイベントの企画や、chill outをコンセプトにした200人規模のイベント等を開催している。趣味は囲碁とファッションとTwitter。

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