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【シネマでおジャマ】 ウッディ・アレン / 幸運の兆し (2023)


フランスヘ行こうか、と思い立ったのはきっとフレンチ・シネマが好きすぎて。
そしてパリ好きシネアストがフレンチ・シネマにオマージュしながら映画を作ったら?

姐さんのスキなアメリカ人監督のひとり、きっと最初からほぼ全作見ているんじゃないか、と思うウッディ・アレンの新作。パリを舞台におフランス人のハイソな世界を切り取ったウッディの第50本目

そんなウッディ映画の魅力を箇条書にすれば、

・旬のキャスト陣
・おしゃれなロケーション
・ユーモアにあふれたロマンティックストーリー

コレは最早、彼の映画を語る上では不可欠。軽やかでコミカルな展開の中でもしっかりと描かれる人生訓には、姐さんも思わず涙。

しかしその一方で七面倒臭い、何故そ~ゆ~展開に。てな声も聞こえそうですが、その面倒臭さはいわゆる一つの専売特許、このモツレが見たいが為のウッディ映画、なんであしからず。

そしてなんと言っても極めつけは音楽。
最初から一貫して著作権切れのラヂオ・デイズ・ジャズ。
これは、特に第一次世界大戦の後から第二次世界大戦に入る前のノスタルジックな時代である1929~30年代
この時期のジャズはまだ創成期のダンス音楽。



これがまたいつもストーリーを程良く演出。
ただし今回の音楽に関しては、ジャズの中でももう少し時代の進んだ、1950〜60年代
ジャズの黄金時代ですん。


そんな『幸運の兆し』(邦題未定につき)、観てまいりました。



なんと!
この作品、去年の今頃から姐さんのすぐ足元であるシャンゼリゼ付近で撮影されてましたね。
言ってよ〜。駆けつけたのに。

まずファーストシーンは、ついこないだ姐さんがコンサートを楽しんだシャンゼリゼ劇場前から始まり始まり。


シャンゼリゼ劇場近くのアートオークションエージェントで働くファニーは、通勤途中に高校時代の同級生と偶然ばったり。彼はこの近くのアパートに住む小説家に。
「高校のときからずっとキミ首ったけだった」
と打ち明けられ。


小気味よいこの曲から幕開けですん。

♪「フォーチュンズ・チャイルド」/ ナット・アダレー





今回はどれも耳馴染みのあるジャズスタンダードから。ジャズ好きウッディのピリ辛な選曲が光ります。
そしてそれがまたぴったりマッチングでよじれるん♥

歩くテンポのテーマが何度となく耳に心地よく。
今秋はこれをテーマにパリをさんぽしたいっ!



彼女の勤めるオフィスは、モンテーニュ通りとシャンゼリゼ通りの交わる場所に実在。


実際にも超アーティで超お高いオークションをかましてくれてますん。
興味のある方は、こちらからどーぞ。↓↓



そしてこのきゃわゆいんファニーちゃんね、バツ1の既婚なんです。
その旦那はどんなヤツかと言いますと。
別に記念日でもないのに、カルティエの指輪をプレゼントしてくれちゃったり、ハイソなお友達がたくさんで夜な夜な着飾ってレストランへ連れて行かれたり、週末は近場の別荘へ行きジビエをハンティングするのがお約束。もちろん召使い付き。

ハンティングへ行く妙なウキウキ感が伝わる一曲。

♪「バグズ・グルーヴ」/ ミルト・ジャクソン(モダン・ジャズ・カルテットMJQ)


どことなく裏表がある感じが曲によって強調されます。

イヤミですねぇ〜。お金がたくさんあるのをひけらかしてますね〜。しかも友達との会話も全くファニーちゃんには面白くもなんともないんです。
しかもヴァカンスには必ず、「みんなでタヒチへ行きましょうよ!」とか誘われちゃうんですね。

そんな毎日にややうんざり気味の彼女。
しかも「元旦那」ってーのも実はミュージシャン崩れだったり、ばったり再開した高校の友人もライターだったり、ゲージツ家肌によじれやすいファニーちゃんなんですよ。そりゃ実業家タイプでお金に目がないおハイソな匂いプンプンの男、最初はいいでしょ。だけどツマラン男でっせ。なーんで結婚しちまったんでしょ!
こんな旦那、畳んでクローゼットへ押し込んでおしまいっ。って感じですな。

そんなモノトーンな毎日が、歩くようなテンポのこの曲で強調されて。



♪「カンタループ・アイランド」 / ハービー・ハンコック

このテーマが何度となく耳に心地よく。
今秋はこれをテーマにパリをさんぽしたいっ!


で、そんな毎日にややうんざり気味の彼女。
極めつけは、夜になると寝る前に必ず別室へ呼ばれ、旦那の変わった趣味に付き合わされること。

その変わった趣味、とは...?


(ネタバレですけどね、そっとみなさんには教えちゃいますよ。)
だって、知りたいでしょう?
変わった趣味。

それは...




出た〜っ🤩 The 鉄オタ🚃!
鉄道模型で部屋いっぱいの巨大ジオラマ!
「ほら、キレイだろ〜っ🤩」
って、姐さんヘどストライク🥎
いや〜ん♥
姐さんだったらこのお部屋で何されてもイイ〜🚃!

こんな鉄道博物館顔負け、部屋いっぱいの鉄道模型、ゼッタイお金持ちしか出来ん!
しかもパリのど真ん中で部屋がジオラマ専用だなんて!


ついでではございますが、真ん中が
旦那役のメルヴィル・プポー。
メルヴィル・プポー。
この方は、皆さんお好きな『ラ・マン〜愛人』
にも気の弱い弟役で出演されておりました。



だけど彼と会う日は心も弾む。
そんな気持ちがはっきり現れるこの曲は。

♪「アーム・イン・アーム」/ ハンク・ジョーンズ




高校の同級生の彼はファニーちゃん仕事場近くのアパートで小説を執筆中。

とするとふたりの逢瀬は自然とシャンゼリゼ公園で。
枯れ葉を踏みしめながら噛じるマロン・ショー(焼き栗売り)に、パリを愛する外国人目線満開です。
そろそろですよマロン・ショー🌰
季節到来。


秋が深まるにつれ、二人の仲も深まって。
あはん♥
そんなふたりによく似合う、とびきり暖かい音色のフリューゲルホルンが秋の気分を盛り上げますん。

♪「ウェン・ユア・ラヴァーズ・ハズ・ゴーン」
 / アート・ファーマー


まさに曲選も二人の行く末を暗示していて意味深でよじれますん♥


その深い仲に気づかない旦那じゃないですぜ。
興信所雇ってアチコチ手を回し、すーっかりキレイに片付けます。お金あるんですから。

あれー...?
とか思っている間に事は過ぎ、時は過ぎ。
麻疹にでもかかったように熱は覚め、旦那の元に舞い戻り。

ふとおかしいな、と気づくのはファニーちゃんのママりんです。
探偵気取りであれこれ探る。

そこへ被るよ、この曲が。



♪「イン・ザ・バッグ」/  ナット・アダレー


ほー。
興味深い選曲ですな。

ここからは♪『林檎殺人事件』のような展開に。



フニフニフニフニ フニフニ♥
いやん♥
最後までは、ダメッ。


ウッディの「パリもの」と言えばこちらも有名。
ミッドナイト・イン・パリ』(2012)。
こちらはもっとファンタジックでした。

ここでも主人公は小説家、になりたい脚本家。
(ウッディ自身を彷彿とさせる)
演じるのはオーウェン・ウィルソン。
(彼のオトボケ感もウッディ自身を彷彿)

タイムスリップしちゃって、ヘミングウェイやダリなんかの色んな有名人に出会っちゃうんですよね。

当時のおフランス大統領夫人、プルミエール・ダムで歌手でもあったカーラ・ブルーニも出演させてもらってましたね。





特にそのイントロシーンは、圧巻。
パリ観光の魅力が詰まってます。



姐さんのフォロワーさんには、すぐにどこだかわかっちゃうと思いますん。

ジャズのメロディによじれながら、パリさんぽを楽しみたいですよね!



こちらのマガジンもよろしくどーぞ💋

いよいよ冬時間も始まって、日本との時差は8時間。皆さんの一日のルーティンとも少しずつズレるかもしれませんが、姐さんと一緒に楽しいひとときを。



あはん♥





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