『』
『海へ花束』2022.11.19
息を吸えば冬の空気 春を願うより先に
傷んだ心が染み入る温度だ
欲しがってばかりいるようで殆ど何も願えない
もう何が掬ってくれるのか判らなくなってしまった
冬の海で花束を持って全て忘れよう
もう二度と会えないという猛毒の花束
私 なんて主語も要らないくらい
貴方を想っていた ずっとずっとずっと
生きている内気づく 世界の冷たさに
どうしようもないと笑う 嘆いてなどないよ
手の中にあるものを大切にするのが恐い
いつ手放してもいい、くらいが傷つかずに済む
退屈を飼い慣らすこともできないし
そんな人生を望んではいない
報われるという言葉の意味を
解らないからずっと描けないまま
許されるなら あと少し もう少し
貴方に縋っていたい
いつか抱きしめてみたい
冬の海で花束を持って全て忘れよう
もう二度と会えないという猛毒の花束
私 なんて主語も要らないくらい
貴方を想っていた ずっとずっとずっと
ずっとずっと、ずっと
春が近づいている
今の時期を想って書いた詩
「もう二度と会えないという猛毒の花束」
という言葉は、ある本から倣ったものだ。
あまりに自身の気持ちを反映させているので
少しだけ胸の裡が痛い
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