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大切だったからさようならを言うんだよ


卒業です。最後の卒業式。



大学は温暖化でちらほらと桜が咲き始めていて、コロナ禍で入学した私達にとっては目に余るくらい沢山の人がいて。久々に会った人もいたり、一週間ぶりの友達がいたり。

終わるんだという明確な意識がありました。思えばそれは意識というよりも意志だったのかもしれません。今日という日をきちんと終わりとして迎えなければ、私はいつまでも学生気分に引きずられていたいと思ってしまうだろうから。そんな気持ちで。

今まで卒業式で泣いたことがありませんでした。中学も高校でも大して離れ離れになる人はいないし、会いたい人には会いに行けば良いもんな。そんな軽い心でさっぱり卒業してきました。
けれど、大学ではそうもいかなくて。みんなが本当にばらばらになってしまう、だからこそ、今後会いたい人にも会えるかどうかわからないからこそ、私はちゃんと今日「さようなら」と「ありがとう」を言うんだ、と決めていました。

大学では四人も大切にしたいと思える関係値の友人ができて。この時点で十分すぎるくらい私の大学人生は彩られていたし、コロナで約二年活動できない期間があったけれど、それでも私は大学が一番幸せだったと思っています。それは紛れもなく四人のおかげ。他にも出逢えて良かったなと思う人は沢山いるけれど!特に感謝を伝えたかったのは多くの時間を共に過ごしてくれた四人です。

大学で最初に友達になってくれた二人と卒業式の最後に会った時は、なんか思わず泣いてしまいそうになって。私本当に二人のことが好きだったし、人として憧れていたんだな、大学四年間、出逢った時から二人のおかげで楽しかったんだな、って。


大切な人達が私には勿体無いくらい素敵だったから、何より「そんな素敵な人たちの隣に居て恥ずかしくない自分で居よう」とずっと思わせてもらっていたことが本当に財産だなと思っていて。

苦しくても生きてこられたのは大切な人達が眩かったから、私を沢山肯定してくれたから、だから私も自分の人生を生きていきたいと、貴方の隣に居たいと思えました。本当にありがとう。

そんな大好きな人達の側に胸を張って居られるような誠実で聡明な人間になりたいと思いながら過ごしてきたこれまでのように、どうかこれからも同じ気持ちで、側に居られるような生き方をする。

これからもこの心は忘れず生きていきたいです。


会えない人が増えていくけれど、その分出逢う瞬間が在るわけで。さよならは花びらだった。自分が卒業する側になってもやっぱりそう思うよ。
そうやって別れが美しいと感じられる分だけ、私は出逢いも大切にしなければと思うんです。

過去も今も愛しんで、これから先の日々を愛せるように。


いつか必ず辿り着ける場所があると信じて




大切だからこそ、人はいつ何が起きるかわからなくて、もう逢えなくなってしまうかもしれないからこそ、ちゃんとお別れしたかった。寂しくないと言えば嘘にはなるけれど、悲しくはないよ。貴方にちゃんと言葉を伝えられて、嬉しい。

大切だったから、さようならを言うんだよ。

出逢ってくれて、一緒に笑ってくれてありがとう。
心からの愛と感謝と祝福を込めて。



幸福でした、貴方の健やかな人生を、光を、ずっと願っています。

さようなら。卒業おめでとう。




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