見出し画像

空へ


確かに何処かが痛む
だけど傷なんて
形としてはない



もがいて 逃げても
出口さえなくて
痛みだけが
増幅していく



此処から一人で
旅に出たらあの子は
きっといつまでも
探し続けるだろう


愛して 愛され
顔色だけで
わかりあえていた
同士だから


痛みを抱えた人を
見つけた時から
何故か痛みは感染



時に押し流されて
羽根が治ったら
みんな綺麗な空へ
飛んでいけるのに



私はいつまで
こんな場所で
それを眺めているだけ?
ねぇ、教えて?



何時からか自分を
粗末にして
見えない愛と
引き換えにしてた



嘘臭くて くだらない
偽りだらけの温もり
そんな物にでも
少しは癒されてた



心はそんな事に
吐き気をもよおす
私の中の善と悪とが
争いを始める



何度も懲りずに
私が映し出す
アンフェアに
飽き飽きしてる



それが本心



天使の顔した悪魔が
増えてしまった
こんな世の中で


生かされている事に
後悔したって
仕方もなく



転がりながらも
生き続ける事の意味が
何処かにあると
疑いながらも
信じてる矛盾



逃げても逃げても
逃げ切れない
深い・・・深い森にも
光が射すように・・・



似たような痛みを
溢れる程に抱えた
苦しむ人がいるのなら
互いに羽根を繕い



羽根が治ったら
一緒に飛び立とう



空へ・・・あの大空へ・・・
まだ見た事のない
黄泉の楽園へ・・・


手を取り合い、共に


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?