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2021/7/12 「鋭さ」

愛が重いほど、その愛は鋭さを増して心に突き刺さってくる。突き刺された一点から涙が溢れ出るのは当然のことだ。相手は泣かせてしまった、傷つけてしまったと思ったかもしれない。でもむしろ、今は物凄く光栄なことで。それくらいの愛を受け取れるのと同時に、吐き出してしまいたいほど膨れ上がった愛を外へと自然に流してくれた。

涙が出るのは、ある沸点に到達した時だと誰かのインタビューで見た。沸点が低すぎるのか、常に沸点に近い位置で留まっているからか。どちらにしたって、とにかく沸点にたどり着く回数が多いことが苦しい。

押し殺そうといったって、また、同じだけのエネルギーを使わなければいけないから苦しさは変わらないし、閉じ込めようと押さえ続けるのはさらに苦しい。

でも、今回のは刺された感覚だった。そこから流れ出した、が近い表現だと思う。

最近の私は、大きなものを手放してその分大きな空白を手に入れたのかと思いきや、それどころか、空白なんてものは一つもなく、ただ脳みその命令に従って動いている。脳みそが私のすべてを支配している感覚で、それ故に、どこにいても常に脳みそが動き回り、休もうとしないのだ。休んでくれと念じて寝付こうとするが、それも受け入れてはくれない。脳みそだけが私の限界に気が付いてくれないのである。

気が付いているのかもしれない。でも、不安がそれを許してくれないのだと思う。寝付く代わりに「もっと考えろ」と、脅迫してくるのだ。

脅迫されていたって、本当に限界の時はそれを無視して停止することができる。けれどそこに、今度はしぶとさというものが、追い風を吹かせてくる。

限界が来ているのに、しぶとさがそれでも私を動かして、何とか私はやりこなしている。そして今度はやりこなす私が、心を動かす。だからギリギリのところで、「思うこと」を辞めずに、営みのままやれているのだ。

これはもう、私ではない誰かの手に止めてもらうしかないのだと思う。それも、同じくらいの重たい愛を持つ誰かの手によって。それか、私のことをブンブン振り回してほしい。脳みそが感覚を失ってくれるくらい強く、思いっ切りだ。

心も私も脳みそも。すべてが止まってくれなきゃ意味がない。私に纏わりつくすべての者達を吹っ飛ばしてほしい。

でも一番は、やっぱり突き刺してくれることだと思う。それが一番、ホッとさせてくれる。とにかく一点を、この重苦しい熱を外へ出してくれる便りさえ届いてくれれば、私は救われるのだ。

何故こんなにも苦しめる?さっさと突き刺してくれればいいのに。刺してくれさえすれば、その速さも深さも関係ない。苦しめる時間は長く取るのに、突き刺す時は一瞬。それも今なら、許してしまえるだろう。


またね👋







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