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そばにいてくれること。



密かな楽しみ

 ずっと書きたかった、看護師さんたちの話です。患者側として看護師さんを見るのはとても新鮮で、看護師さんを観察するのが毎日の楽しみでした。

 どの看護師さんも親しみやすく、丁寧に接してくれました。そのなかでも、話しやすい人と少し話しかけづらい人がいました。話し方、選ぶ言葉、雰囲気、表情や仕草。たくさんの要素が、その人の「看護師像」を作っていました。
 たとえば、受け持ち前に挨拶に来てくれる看護師さん。「お昼担当の〇〇です。」というように、受け持ち前に一言ご挨拶に来てくれる看護師さんが何人かいました。名札が見えないこともあるのでお名前を教えてもらえると安心。丁寧さが気持ちよかったです。
 素敵な看護師さんがたくさんいたので全員紹介したいところですが、とんどもない長さになりそうなので…。ここからは、特に印象に残っている看護師さんたちについて書きたいと思います。下線部分をタップすると、その看護師さんが登場する記事を読めます。

1人目「受け持ちさん

 入院中の私について最も詳しいであろう看護師さんが、受け持ちさんでした。実は、大学の大先輩。学生時代の話で盛り上がりました。ふんわりと穏やかな空気をまとっているけれど押さえるところはしっかり押さえていて、説明が丁寧。彼女が病室に入ってくると何だか安心できました。私が思うに、受け持ちさんは患者さんと話すことを大切にしている看護師さん。つらいときに救ってもらいました。

2人目「たいさん

 すらっと背が高くて、きびきび動く姿が印象的でした。「たいさん」は私が心の中でつけたあだ名です。あだ名の由来は秘密。抜糸の日、ゆっくり話を聴いてくれたのが彼女でした。泣き出してしまったとき、手をそっと握って話を聴いてくれたのが嬉しかったです。手当ての力を感じました。

3人目「れごさん

 おそらく登場回数最多、退院前に抱えていた不安を初めて打ち明けた看護師さんです。インパクトのある見た目が最初は少し怖かったのですが、受け持ってもらう回数を重ねるうちに仲良くなりました。彼女は、細かなところに気づいてくれる看護師さん。退院前日にゆっくり話したときに、れごさんと私は似ている部分があるのかもしれないと思いました。本当に何となくだけれど。何となく、似ているのかもしれないと感じました。

4人目「お兄さんナース

 これまでにひっそりと、何度か登場した彼。「その髪色はセーフなの?」と思うくらい明るい髪色が、初対面で強烈な印象を残しました。そんな彼は、気さくだけれど気遣いを忘れない看護師さん。嬉しかったのは、廊下に貼られている献立表を見ているときに話しかけてくれたこと、しんどいときに気にかけてくれたこと。飾らない姿がかっこよかったです。

看護師さんの存在

 入院している間に出会ったのは、患者さんを大切にする看護師さんばかりでした。特に、受け持ちさん、れごさん、たいさんから学んだことがあります。忙しくても患者さんと話す時間は作れる。自分が看護してもらう側になって、「こんなに丁寧に話を聴いてくれる看護師さんが何人もいるのか。」と感動しました。3人とも経験豊富な看護師さんだったからできたのかもしれませんが、簡単なことではないはずです。私のために時間を作ってくれたことが、本当に嬉しかったです。
 私の記憶に残っている看護師さんはみんな、時間を共にすることを大切にしてくれました。どの看護師さんもそれぞれの形で気にかけてくれました。看護師さんの存在が支えになっていました。看護師さんがそばにいてくれるのが、私にとって1番の薬でした。こんなに素敵な病棟で治療を受けられた私は幸せな患者だなぁ、と思っています。
 つらいこともあったけれど、それ以上のやさしさをもらって。今の私がいます。

 看護師さんって本当にすごい。素敵なお仕事です。看護師は取って代わることのない大切な職業だと、漠然と、でも強く感じたのでした。


▽ まとめ


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