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#2妊婦の就活ってキビシイ【20社で不採用】



こちらの続きです。

妊婦の就活ってこんなにキビシイんだ~…ってお話。

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初めてバイトの求人に落ちた。

それも、やりたい仕事内容の正社員に応募しているわけではない。妥協した仕事内容のアルバイトか派遣社員での雇用形態のものを選んでの結果だ。

お腹に子どもがいるけれど、つわりも軽いし動けるし、普通に求職活動できると思っていたが、またしても甘かった。

ほんの数か月前、大学生だった頃のように若くて体力があり、勤務時間も柔軟に対応できた私とは違うのだ。

妊婦は病気ではないとよく聞くが、健康面で抱えているリスクは極めて高い。新婚生活が始まったばかりで夫との時間も大切にしたかったから、働けるのは平日の日中に限られていた。

となるとやりたい仕事なんてもってのほか。応募できる仕事に手あたり次第応募して、「妊娠したので新卒で入った会社を辞めました」と正直に伝えては不採用の連絡がくる日々だった。

一刻も早く働きたい私は、不採用通知に焦りながら、ちゃんと自信を失っていた。

今思うと、考え方だったり行動に色々問題だらけだと自覚できるのだが、当時の私にできることはひたすら求人に応募していくことだけで、他の選択肢は知らなかった。相談相手は夫だけだったし、外で相談できる相手もいなかったのだ。

こうして私は20社落ちた。

社会から、「あなたは必要ありません」と拒絶され大きな壁で遮られているような気分だった。

あの日々を振り返って私が思うのは、子どもを産んだ後の就活よりも、妊婦の就活の方が圧倒的に難しいということ。

・緊急の入院、医師からの安静指示等で突然働けなくなるリスクが高い

・出産予定日までという明確な雇用期限がある

・胎児に何かあった時に企業として責任を問われる可能性がある

という条件に加え、私の場合は大卒あがりでスキルゼロという、何とも採用しがたい人材なのであった。


***

がむしゃらに応募していたら、ある会社の総務で、派遣社員として3か月働けることが決まった。

数打ちゃ当たる精神が、功を奏したのだ。スキルも学歴もなかった私に採用をもたらしたのは、不採用通知がいくらきてもギリギリ折れなかった僅かな精神力と、絶えず求人に応募し続けた行動力だった。

希望していた勤務時間より少し短いけど妊婦にはちょうどいいか、と半ば妥協もあったのだが、久しぶりの採用連絡に心は踊っていた。

3か月間、誰にでもできる庶務をして過ごした。

悔しさはなく、社会で働ける嬉しさを感じていた。

その上でひたすら、自分のキャリアプランを考えていた。この先何を軸に仕事をしていくのか、自分の人生の目標は何か、やりたい仕事は何か、常に自問自答し続けた。

”今はキャリアをゆっくり考える時間”と自分に言い聞かせ、焦らず、現状を受け入れることに注力した。

妊婦に余計なストレスは禁物なのだ。

契約期間も迫ったある日、お世話になった社員さんに

「林さんはここ辞めたらどうするの?」

と聞かれた時は、

キャリアコンサルタントみたいな仕事をしたいです

と答えた。この3年後も変わらず同じ気持ちでいて、今年の冬にキャリアコンサルタント養成講座を受けようとしているのだから、あながち当時の自己分析は間違っていなかったようだ。

ここまでたどり着けるまでもたくさんあったのだが、長くなるのでまた。

この会社は私が勤務した証など一つも残さぬまま3か月の勤務を終え退職し、それからのろのろと、当てのない産休へ入った。


続きます。

【2社目派遣社員/総務:3か月で身に着けたスキル】

コピー機の使い方・代表電話対応

以上



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お腹に子どもがいながら就活を頑張っている人へ


同じ境遇を経験したからこそ、とっても大変さがわかります。

偉そうにアドバイスをするつもりはないのですが、当時何も知らなかった自分のような人がいたら少しでも”誰かの話”としてお伝えできればと思います。

あなたにスキルはありますか?なにか職務経験はありますか?

どちらか少しでもあるのなら、在宅で働くのはいかがでしょう?

私はスキルも職歴もなかったので、その選択肢すらありませんでした。

だから、例えば経理を経験していたり、総務で代表電話をとっていたり、倉庫で一定時間集中して作業ができたり、そういう一つ一つの職歴が実はアピールポイントになったりするものです。

今はクラウドワークスランサーズというわかりやすく使いやすいサイトもあります。

収入が不安定なのがデメリットですが、お家でゆっくり働くなんてのも、10か月しかない妊娠期間にはいいかもしれません。私が今あの時期に戻ったら、スキルなしでもできる在宅の仕事を死に物狂いで探すことでしょう。

ハードルが高いように感じるかもしれませんが、妊婦で企業に就職するハードルよりは圧倒的に低いです。まずは挑戦してみてください。

産後の就活は、覚悟があればいくらでも、なんとかなりますから。(別の記事で詳しく書きます)

とはいえ妊娠中に就活して理想の企業に出会えたら、産後も待ってるよ、なんてチャンスに繋がったり、何より安定しているので、それも一つの手だと思います。

就活して不採用の連絡が来たって、「今はお体ご自愛下さい」っていう企業からのメッセージだと思いましょう。

頑張り屋のあなたを求めている企業がきっとどこかにいるはずです。その出会いは、産後になるかもしれませんしね。

とにかく焦らず、お腹のお子さんを大切にお過ごしください。

あなたは一人じゃないですよ。


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ここまで読んでいただきありがとうございます。


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