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ぐみ汰
2023年2月24日 18:30
車窓から景色を眺めていた。2月の曇天は空が下手くそに笑っているようで、すこし明るい。電車が追い越して行く家々の中にぽっかり開けた場所があった。よくよく見てみれば、それは小学校の校庭。偶然行間休みの時間だったのか、私服姿の子供たちが校庭中に散らばっていた。まだ肌寒いというのに、子供らはそんなことを感じさせないくらい元気だった。色とりどりの暖かそうな服を着て、あっちこっちへ鉄砲玉のように動
2022年5月22日 13:28
日曜の昼、電車に乗った。昨日の地上に迫ってくるような曇天は姿を消し、雲が夏の空に向けて形を変え始めている。都内に向かうこの路線は朝を過ぎても人気がそれなりにあって、備え付けられた席はほとんど埋まっていた。電車が発進すると、色々な音が聞こえる。車両を動かすモーターの音、車両同士が揺れ動く音、線路の上を車輪が滑る音、風を切って進む音。そこに加えて、家族で出かける子供のはしゃいだ声、ベビーカーに