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オーストラリア2400km自転車旅16日目🚴‍♂️

16日目​「快調!」

変な緊張感があって、ぐっすり眠れた気がしなかった。朝起きて湯を沸かし、Freeコーヒーをちょびちょび飲んだ。荷物をシュンの車に積み、BPの人たちにさよならを言った。シュンはきっちり俺と相棒をあの酒屋まで運んでくれた。シュンが10時まで待ってビールを買ったあの酒屋さんだ。
俺は、シュンが自転車のタイヤを外してくれた全く同じところで、タイヤをつけた。
「うん、やっぱりかっこいいなーお前は!」
相棒のサドルをバンバンと叩いた。
「ヒロ、ロブスター・・・一緒に捕りに行かないか?行こうよ・・・」
シュンはもう一度誘ってくれた。
「シュン、次はパースで会おう! !」
ありがとうをいっぱい言った。握手をして、俺たちは同時に車を走らせた。当然シュンのほうが早い。
「またなー!!」俺は叫んだ。
シュンの元ブルーは今にもエンストしそうでしない。徐々にスピードを上げ遠ざかっていった。

今日も当然のように暑い。スーパーマーケットに行った。そこで缶詰や、食パン、それから良い事を思いついた。膝サポーターを買おう!
その後、近くの木陰がある公園を見つけ、そこで横になり日が傾くのを待った。ディープを塗りながらマッサージを丹念にしては横になる、をくり返していたが、午後1時の時点で、足がうずうずしだした。一週間も休んでいたのだ。そして膝サポーターの効果も早く知りたい。何よりタコ、アワビ、カニが
「俺たちのパワーを早く使え!」と体の中からワーワー言ってる。じいちゃんがくれた痛み止めを服用し、胃袋がはちきれるまで水を飲み、さらに全身にぶっかけた。、、、涼しい。
心臓が高鳴った。
ディープ・痛み止め・サポーター・・・
いつの間にこんなにアイテムが増えたんだ!すげー!
負ける気がしねー!
1時半、いてもたってもおれずそこを飛び出した。暑さは酷かったが、風向きは悪くない。膝サポーターは素敵だった。膝を伸ばす時には負担を減らし、曲げるときには力を貸してくれた。そもそも膝の調子が良い。

「おぉーー!痛くねー!痛くねーーー!ウォーー!!」
喜びの雄叫び。
さらに良いことに、あまったサポーターでグローブをつくった。今までは軍手をハンドルにかぶせていたが、もうそれも必要なく、手のひらの痛みも和らいだ。

笑いながら走っていた。スピードに乗って、自転車を漕いでいた。ちゃんと両足で。今までは左膝を外に向けガニ股で漕いでいた。そうすると痛みが少なかったから。この時にはちゃんとそれを閉じ、両膝ともしっかりとペダルを下に押していた。
当然スピードも出る。街からもうだいぶ離れたようで、すっかり車を見かけなくなった。午後5時を回ると幾分気温が下がり、さらに気持ち良く走ることができた。空も徐々に焼けてくる。
だだっぴろい大地に俺しかいない・・・初日に感じた怖さはない・・・むしろこの感覚が好きだ。これ、この感じ!

あたりは完全に闇に包まれた。久しぶりの夜走行。
「俺の時間が来た!」
ふとっちょライダーのセリフ、自分の言葉のように言った。嬉しかった。膝の調子がいい。風は向かい風に戻っていたが、戦える!

大声で歌を歌いながら走っていると、珍しく車が通った。そして俺の横でブレーキを踏んだ。
「あんた何やってんだよ!?こんな真っ暗な中!?
信じらんねー、あんた何?誰?何?怖くないの?
あんたみたいな人見たことねーよ、
あ、そうだ写真とっていい?
そういうの気にする?しない?」
よく喋る人だった。名前は忘れた。

その後も快調に走り続けた。でも調子にはのらない。こまめに休んで膝のツボを押す。気持ちいぃ。。。

午後10時、ウィムクリークRHに着いた。ここにはアコモやレストランがあったが、すでに閉まっていて暗い。冷たいジュースを飲みたかったがスタッフは見当たらなかった。仕方なく無断でゲートをくぐる。トイレ、水道、シャワーがあることを確認。鍵が掛かっていなかったので自由に?使えた。だけどシャワーは面倒臭いからいいや、と思った。久しぶりに屋外テーブルにマットをしいた。蚊が多かった。しっかり虫除けをし、それから足を丁寧にマッサージし、横になった。今日は120キロの走り。出発地点のブルームからは約700キロ。全体の10分の3。
ははっ。まだまだ残ってらー。。。
でも落胆はない、膝の快調がほんとに嬉しい。

あぁー、、、
相変わらず宙は深い。
星の数無限。

宇宙を見ている俺。
その体も脳味噌も、宇宙の中の素材でできてる。

俺も宇宙の一片じゃん。
今この瞬間、自分で自分のこと見てんだな。

ひょっとして、
お前、いや俺、って言うかお前!
こんなデカイくせに、
自分探しの『旅』の道中か⁈
ハハッ、一緒に頑張ろっ‼︎

寝よう。。。
虫よけは、多少ディンゴにも効くかな!?・・・と思いながら寝た。

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