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帽子の選び方〜私と祖母の場合〜

 「じゃぁ、明日はお化粧をしっかりめにお願いします」「頬紅付けていくわ」ということで話がまとまったのは、祖母の帽子選びのためにデパートに行くことになったからだった。「ひとつ新しい帽子が欲しいねんけど一緒にきてくれへん?」と言われた私が「帽子やったら阪急やで」というと祖母は二つ返事で「ほな梅田いこ」と久々のデパートに俄然乗り気のようだった。当日、図書館に用事があった私は祖母と阪急の帽子売り場で待ち合わせをした。綺麗に髪の毛を梳かし、1連パールのネックレスを付けて現れた祖母はなかなかおしゃれだ。祖母の希望はちょっとおめかしした時も使える帽子。前日からどんな帽子がいいのかなぁ、と考えていた私はキャップ型からハット型まで、とにかくいろんな帽子を次々に渡していった。帽子の選び方を習ったことはないけれど、おそらく着け慣れていない物を選ぶという意味では帽子もメガネも選び方に通じる部分があるのではないだろうか。それはとにかく、ひたすら被って帽子を被っている自分の姿を見慣れる。というところから始まるのではないだろうか?最終的に私が前日から、これはいいんじゃないかと考えていた種類の帽子、ベレー帽コーナーの前に行き着いた。元々、祖母が使っていた帽子もニットのものでツバはない。つまり、眩しさ対策よりも髪の毛が隠れて暖かさがあればいいのではないか。じゃぁ、ニットよりも形が決まりやすく少しフォーマルに見えるフェルトでできたベレー帽、結構いけるんじゃないか?可愛く見えるんじゃないか?と思っていた。本人も気に入ったようで、ベレー帽は即決された。

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