Animal Collective の『Merriweather Post Pavilion』を聴いてみた編
こんばんは、内山結愛です。
Pitchforkの年間一位を取ったアルバム縛り編!
今回は Animal Collective の『Merriweather Post Pavilion』(←2009年一位)を聴いてみた編をお届けします。
実験的でありながら人懐っこいポップなメロディ、響き渡る崇高な歌声、作り込まれた音像。
カラフルでエレクトロなサウンドで宇宙空間が広がる一枚。
ぜひ、読んでみて聴いてみてください!
1.In the Flowers
騒めく宇宙。私たちにはわからない言葉の私語でうるさい宇宙ってこんな感じなのかな(何言ってるんだろう)?0:43〜突如平和そうで不穏なメロディが舞い込んでくる。宇宙牧場。美しく騒々しい。終始何の音なのかよくわかっていない。ただこのアルバムで聞こえる生楽器は全てエフェクターを通じて、レイヤー、ピッチ加工が施されているという情報を知ってゾッとした。自由に不規則に鳴っているようで、全ての音が完全にコントロールされているということ…。ヤバ。2:35〜エネルギー爆発。ギンギラ。ビートが入ってきて超格好良い。ボーカルが神様。宇宙的なエレクトロサウンドにワクワクが止まらない。
2.My Girls
また違った宇宙。ピコピコキラキラ系。繰り返される電子音のフレーズに脳みそが拡張していく。伸びやかなボーカルがひたすらに素晴らしい。ハモリやコーラスも神々しい。歌詞不思議すぎで面白い。1:43〜ちょっと…凄い。ビート入るタイミングがいつもドラマチック。ピンチの時に良きタイミングで助けに来るヒーローみたい。ア〜気持ち良い。色んな電子音、要素が入ってくるけど、最初から変わらず繰り返している電子音のフレーズとの馴染みすぎている。最初からこうなることわかっていたみたいに…緻密だ…
3.Also Frightened
繋がって始まる。民族的な雰囲気。それでもやっぱり宇宙。定期的に犬吠えてる?1:20〜雄叫びに召されそうになる。歌声が輝いている。本当に良い声。ずっと「夢を見てるのでしょうか?」みたいなことを歌っているから、聴いているこちら側が「これは夢なのか?」と思えてくる。幻想的。3:22〜神。宇宙。神秘。光。最後宇宙の結婚式みたい(何言ってるんだろう)。
4.Summertime Clothes
雨?子供たちの声…?急にノイジー!「オイ!オイ!」みたいに煽る声も聞こえる。ビートがヤバい、踊りたくなる。二つリズムが存在している。複雑だけど、踊れる。ボーカルの美しさとハモリの神々しさに高まる。何これ…ずっと凄い。2:00〜祝福感に包まれている。夏の歌。歌詞の内容とその繰り返しっぷりが狂気的。
5.Daily Routine
全然何の音がわからない。オルガン…?バグりまくる。0:25〜オイオイオイ……めっちゃ格好良くて、鳥肌立った。ビートの重さがGOOD。インダストリアル的な凶暴な音がたまに入ってくる。展開がコロコロ変わるから、耳が離せない。3:00〜美しすぎて、この世のものではない。この音楽人間が作ったの…?本当に?神のお告げみたいな歌声が光の如く降り注ぐ。5:20〜キラキラキラキラキラキラ。
6.Bluish
水の中に入って繋がって始まる。宇宙の海を泳いでいる。0:31〜予想外の音。いや、これまでずっと予想なんぞを飛び越えてくる音しか鳴ってないけど。中毒性のある不穏な美しさ。1:30〜歌のメロディが好き。1:56〜宇宙に夏が来た。涼しげでマリン。ぷよぷよしている。プール入りたくなった。
7.Guys Eyes
宇宙の怪獣たちが鳴いているみたい。0:20〜ビートの登場の仕方いつもズルい。天才的。1:29〜エェ…もうここどこ。置いてかないで…って思ったけど、もう我々のことなど置いて行ってこの際手の届かない場所まで行っちゃってほしい。めっちゃ格好良い。折り重なるボーカルがサイケ。音楽的才能が爆発爆咲きしてる。3:27〜歌詞の繰り返しが無機質な電子音的役割を果たしている。
8.Taste
繋がって始まる。わからないけど、最初の物音に日本を感じた。機織りな感じ。でもすぐに日本を離れ宇宙に行ってしまった。それで良い。置いて行って欲しい。1:20〜不穏というより、気づけばハッピーが強い。2:00〜この曲は冬っぽい。コーラスのファルセットが雪。リズムが掴みづらくて面白い。
9.Lion in a Coma
愉快な民族。アマゾン。ボヨンボヨンした音。エキゾチック宇宙。この曲もリズムがどうなっているんだ。伸びやかなボーカルのイメージがあるから、言葉数が多く詰まってるの新鮮。「昏睡状態のライオン」ってフレーズ、よく思い付くな…。2:00〜ここ急にダークでセクシー、好き!狂気的〜
10.No More Runnin
急にトロトロ。甘くてゆったり。これまでは割とはっきりした輪郭の音が多かったから、音の丸みが印象的。まどろみの宇宙。気づけば歌声を歌声だと認識しないで聴いていた。電子音と一つになり始めている。「Runnin」の伸びやかさに意識飛びそうになる。天に召されそう。
11.Brother Sport
ヤバい、これは面白い。ハキハキリズミカルに歌っているだけでギャップがあるのに、音程が愉快。パーカッションも楽しげ。語感を意識しているであろうフレーズが、何語でもない言葉に聞こえる。「Open up your」って言葉、こんな楽しいんだ。2:37〜宇宙界のお祭り始まってた。ピコピコ電子音に意識を持っていくと大変なことになる。最後まで手を緩めず怒涛の盛り上がり。
Animal Collectiveはアメリカ出身のロックバンド。メンバーはAvey Tare(G、Vo)、Geologist(サンプラー)、Panda Bear(Dr、Vo)、Deakin (G) の4人だが、作品ごとに参加しないメンバーがいるなど、活動の形は様々変化する。
本作は2009年にリリースされた8thアルバム。本作では、Deakin が不参加で、トリオ編成でレコーディングされた。Avey TareとGeologistが若い頃コンサートに参加した会場から本作のタイトルが付けられた。
このアルバムのことを調べていると、The Beatlesや The Beach Boysの名前がよく挙げられていました。
確かに、電子化して、より華やかで複雑になった21世紀版の『Pet Sounds』みたい…!
Animal Collectiveは、その電子化のプロセスにおけるこだわりが凄すぎる。
ピアノやアコギといった生楽器も全て、エフェクターを通してレイヤーやピッチ加工がされていたり、すべての音を完全にコントロールするために、ほぼすべての音が個別にレコーディングされているとか。
もはや狂気。
そんな狂気的なまでのこだわりのお陰で、聴いているこちら側はあんなにも気持ちが良かったんだろうな…
有難うございます…!!!!
実験性と大衆性?ってあんな風に両立できるんだ…って驚きがありました。
基本不穏な空気感なのに、歌のメロディは明るくて、歌声は神々しい上にハーモニーがひたすらに美しかったのも好き。
リバーブもかなりこだわっていそう。どこ行っても宇宙が広がっていたのも面白かった!
かなり好きでした。
次回もPitchforkの年間一位を取ったアルバム縛り編!
次回は Bon Iver の『Bon Iver』(←2011年一位)を聴いてみた編をお届けする予定です。
最後まで読んでくださり、有難うございました。
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