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Faust 『Faust(ファースト・アルバム)』を聴いてみた編

こんばんは、内山結愛です。

ジャーマンプログレシリーズ!
今回は Faust の『Faust(ファースト・アルバム)』を聴いてみた編をお届けします。

ノイズの中に様々な音の断片が登場しては消え、目まぐるしく展開していく演奏。

とめどないサウンドコラージュによって広がる不思議な音世界。

ぜひ、読んでみて聴いてみてください!

1.Why Don't You Eat Carrots

ミシミシでブチブチなノイズが近づいてくる。左右に振られるノイズ。ノイズの中で The Beatlesの有名な曲(「All You Need Is Love」でした)が聴こえた。The Rolling Stonesの曲も流れているらしい。不思議なピアノのフレーズ。ヘンテコだけど、それっぽい。奇妙なアンサンブル。次々と展開していく。2:39〜不気味なコーラス。逆再生みたいに歌っている。独特なコラージュの連続。不思議の国に迷い込んでしまった感じ。ワルツっぽいけど何かがおかしい。4:16〜突然めっちゃ陽気で躁鬱展開すぎる。4:56〜普通に歌われると歌われるで「歌うんだ…!」ってビックリしちゃう。陽気さを掻き乱していくノイズ。6:57〜陽気さが消え去り、ノイズに飲み込まれていく。宇宙。7:37〜話し声。笑い声にゾクゾクする。親しげな空気感。8:00〜一瞬挟まれた陽気パート何…!?またすぐノイズ宇宙。話し声。ヤバワールドが広がる。陽気ノイズ陽気ノイズ……。一曲で9分半以上!

2.Meadow Meal

いつの間にか2曲目になっていた。即興で音を好きに鳴らしている感じがする。0:45〜心霊現象!?殺気立っていて殺されそうな気がする、怖い…!ごめんなさい!金属音が拷問中。このチームでホラー映画作ったらきっと上手くいく。2:00〜あぁ、怖い。2:20〜哀愁パートへ。また歌っている。3:20〜ギャンギャンなファズギター格好良い!中盤からの演奏の盛り上がりと高揚感半端ない。4:40〜時々ラップみたいになる英語の掛け合い。5:07〜曲が終わったかと思ったら豪雨。雷のリアルな迫力。オルガンの音が流れ込んでくる。静寂。

3.Miss Fortune

自然な流れで3曲目になってた。儀式っぽいドラム。不気味で奇妙。徐々に盛り上がっていく。何とも言えない危ない浮遊感がクセになってくる。音の渦巻きに身も心も引き摺り込まれていく。3:00〜ギターが「ポワワワン」って鳴っている。徐々に興奮していく楽器たち。4:37〜壊れそうなくらいの高まりで掻き鳴らされるギター。そのあと一気に静寂。蠢くノイズ。6:15〜終わったと思ったら静かにピアノが忍び寄ってきた。続く不気味歌唱。歌詞があることに驚く。ホラー映画作って…。8:05〜不気味ドラマチック演奏とヘロヘロな歌声、ヘロヘロなノイズ。ここで鳴る音楽にルールとか無い、自由で良い。11:00〜楽器総出で場を空気を支配していく。11:25〜ヤバピアノ。少し遠くの方で歌っている距離感がなんか怖い。歌声のテンションも危なげ。ピアノのフレーズ愉快なのに、歌がそれをガン無視していて怖い。別の世界同士が無理矢理に接続された感じ。14:05 〜何の音なのかもはやわからないピキピキなノイズ。ブチブチ鳴りまくり。音が無くなって終わったかと思ったら、ギターのアルペジオに乗せて、英語の単語を言い合っている。「knowbody knows If it really happened」だけ声を揃えて言って終わる。ゾクゾクした…

オリジナルのジャケットは、透明のプラスチックジャケットに拳骨のレントゲン写真をプリントして、ディスクは透明という手の凝ったデザインだったらしい!

Faustは、1971年に結成されたドイツ出身のバンド。一度解散したが、1990年に再結成し現在まで活動を続けている。インダストリアル、ノイズミュージックの源流のバンドの一つと言われている。バンド名は、ドイツ語で「拳骨」という意味がある。現在のメンバーはWerner "Zappi" Diermaier(Dr)、Jean-Hervé Péron(B、Gt)だが、本作制作時のメンバーは6人だった。
本作は1971年にリリースされたの1stアルバム。握り拳のX線写真のジャケットは、グループ名に由来している。




3曲入りで、約35分!久しぶりにこういう(?)音楽聴いてテンション上がっちゃった〜!

音の断片が、緊張感を保ちながら不思議に不穏にコラージュされていて面白かったな。

↓本作に関する動画コンテンツは見つけられなかったのですが、ライブ映像はあった!(メンバーさん、楽しいのか楽しくないのかよくわからない表情で演奏してるのがツボだ)

しかもこのアルバムは、ルールがないことが唯一のルールとして、廃校での共同生活で制作が行われていたとか…!

共同生活はメンバーだけかと思っていたら、プロデューサーも一緒なのビックリした。

それはあんな自由な音楽が生まれるわけだ。噂によると素っ裸だったらしいし…

まず「ルールがないことが唯一のルール」ってところもヤバいし、廃校も怖い。

リーダーも居なかったらしい。どうやって秩序を保っていたんだ…!?謎が多い。

でも音楽面では無秩序すぎるってこともなくて、突拍子のない展開の中にも理性を感じるというか、研ぎ澄まされているものを感じられたのが格好良かった…


ジャーマンプログレシリーズ、まだまだ紐解いていきます!


次回は Klaus Schulze の『Moondawn』を聴いてみた編をお届けする予定です。(2曲で50分越え…!?)

最後まで読んでくださり、有難うございました。


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