träumerei??

Traumtagebuch.✎_

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詩をあわせて

やさしさだけで生きられない世界を憎んだ おもいやりだけで笑えない世界を恨んだ ノートに書き連ねた文字たちは いつのまにか掠れて読めなくなっていた 「人にやさしくされたなら その優しさを誰かに返そうと 自分も優しくなろうと 全人類そうであればいい」 君はそう言って笑った 誰も聞いてくれやしない 他人という言葉が大嫌いだ すれ違う、見知らぬ相手 2秒後には忘れ去る そんなあなたのしあわせを願うだけ 全人類のしあわせを願うだけ

    • しごコウチョク

      愛しいあのこが こおっているよ 小さな小さな箱のうえ 可哀いあのこが ねむっているよ もやそうか うめようか からっぽだ ぬけがらだ 心のこりはきっとない きみの香り あちらこちら 愛しいあのこが こおっているよ とおい世界でかけまわる 愛しいこのこが ねむっているよ

      • ふレた.

        . 路頭に迷った時。 どうしたらいいか分からない時。 「大丈夫?」 そう声をかけてくれる誰かがいる。 優しさに触れること。 それだけで、ああ、生きてていいんだと。 人の優しさに、温かさに触れられた瞬間ほど、尊く、感謝に溢れることはない。 多くの人が、画面の中の世界を見ている。 実際、僕も画面の中の世界で生きていることが多いのだ。 それでも、ふとした時、画面の外の世界に目をやること、心をやること。 そうした時に、小さな優しさを目にする。 花に水をやるおばあさんを見

        • 夜桜にトける 少女.

          最後の記憶は、冷りとした細い腕だった。 _ とある病院に、生まれた時から入院生活を送る少女が居た。 少女は名前を、アイと言った。 アイと僕は、院内学級で知り合った。 僕がとある病気の為入院していた2年間のうちに、アイと、もう一人の女の子と仲良くなった。 アイは体の成長が遅く、身長は120cmくらいで、とてもか弱く華奢だった。 生まれつき赤血球の働きが弱く、外に出ることも出来ずに11年間、病院の中で過ごした。 僕ともう一人、ノゾという仲の良い女の子と、退院してからもア

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        詩をあわせて

          獣喰ふ ゆめときみ. 二

          …… 逃げ込んだ廃工場の中は薄暗く、何もかもの時が止まっていた。 不気味なことに対しては苦手な僕と、対に、彼女はこういうことには恐れなかった。 勢いよく来たはいいものの怯む僕の手を、 再び彼女が引いて、中を進んだ。 しばらく進むと明かりのついている部屋があり、2人で駆け込んだ。 扉を閉め、ひとまず彼女を一番奥の部屋に座らせた。 畳の敷かれたその部屋は、おそらく作業員が寝泊まりや休憩をする場所だったのだろう。 なぜ明かりがついていたのかを、僕らは考えもせず、ただ必死だっ

          獣喰ふ ゆめときみ. 二

          獣喰ふ ゆめときみ. 一

          顔のぼやけた恋人と、何かから逃げていた。 僕はとある大きな家の生まれで、幼い頃から他者との付き合いを厳しく制限されてきた。 その為、今の彼女と恋人関係にあることは、決して知られてはいけなくて、数年間周りに隠し通してきた。 けれど、最近になってその事が一部の大人にバレてしまった。 僕の周りで、僕を守ろうという、そんな建前で家に媚びを売ろうとする自分勝手な大人たちが沢山居て、彼女はいつもその事に腹を立てていた。 そしてその中の一人である、僕の担任をしている女性に対し、彼女の堪忍

          獣喰ふ ゆめときみ. 一

          繋星家 end?

          後日、ある開発都市が一夜にして更地になったと、ニュースがやっていた。 もちろん記録は一切残っておらず、ネット上では夜中に地震があったという意見が多く、地震による自然災害では無いか?などと憶測が飛び交っていた。 一部の過激派として、ここまで大きな陥没を作るのは、エイリアンの仕業だとか、ミステリーサークルだなどの意見もあった。 _ 「やっぱこの家以外で力使っちゃ駄目だね…はいコーヒー」 そう言ってコーヒーのカップを渡し、隣に座ったのは長女の雨音(あまね)だった。 「…そ

          繋星家 end?

          繋星家 2

          _ 母曰く、2年前に死んだ父親が実はこの星の人間では無かったらしい。 何の因果か、僕たち兄妹は宇宙人らしい。 と弟たちに伝える訳にもいかず、ただこの力は人前で決して使わないという誓いを立て、真実は伏せていた。 _____ 「ふーーついた!」 階段の終わりに着き、雷莉を降ろすと、電気の消えたガラス張りのフロアが広がっていた。 この都市はまだ開発途中で、今は深夜なので人も全く居なかった。 ただ海を挟んだ遠くに見える、都心の夜景がとても美しかった。 「凄いなこの景色

          繋星家 1

          どこかの次元で、ある大家族が居た。 僕は長男で、下に弟が3人、妹5人いた。 ある時こっそり、兄弟たちだけで家を抜け出して旅行に来た。 1番下とその1つ上の妹2人はまだ小さいので、大学生の長女と一緒に留守番をしてもらった。 旅行と言ってもなるべく人の居ない場所を選んで、ぞろぞろと移動しているくらいだった。 僕ら兄弟には、ある秘密があったから。 ―― 「兄ちゃんたち遅いー!!」 僕らは地下6階に車を停めて、非常階段で一番上を目指して登っていた。 「翔飛(しょうと)、少し

          双胎がしんだのは、

          そこは宇宙に建つ施設のように見えた。 SFで見たような白灰色の長い廊下と、取っ手の無い無数の扉。 ただひたすらに、彷徨い歩いた。 詳しくは覚えていないけれど、誰かに追われているような脅迫感を覚えていた。 赤いランプがつき、僕が寝床から脱走したことがその施設内に知られてしまった。 僕は反乱者として追われていたのだろう。 焦りに焦って、あるひとつの古い扉を見つけた。 その扉には取っ手が付いていて、所々が錆び付いていた。 その扉を必死に叩いて、中の誰かに助けを乞う。 少しして、

          双胎がしんだのは、

          かなしい争いは、何時迄

          争いは なぜ起こるのだろう 人と人とのあいだには 言葉というものがある 人は野生の動物では無い 人の数だけ 様々な価値観や考え方がある 十人十色が鬱陶しくなったら争うのか? 恐らく、僕には一生理解し得ないのだろう 例えば目の前に橋がある それは今にも崩れそうな そんな橋がある 隣に どうしても渡りたいという人がいる しかし僕も どうしても渡りたい そういう時 人はどうするべきだろう 僕ならきっと 道を譲る しかし仮に 僕にも譲れぬ理由があるとして そ

          かなしい争いは、何時迄

          ドリーム・デスゲーム 2

          ✱✱✱ 「セカンドステージ、生存者すべてがクリアとなりました」 「第3(サード)ステージまで約一日、それぞれ"有意義な時間"をお過ごし下さい」 アナウンスの後、何も無かった壁が入口となり、奥には人数分の部屋と、食堂、図書館や映画館まで完備されていた。 ざわざわとしながらも、攻略組を先頭に人々は中に入っていった。 『24時間、飲食可能です』 と書かれた紙が、食堂の前に貼られていた。 「こんな死体山ほど見たあとで飯なんか食えるかよ…」 通り際に男がそう呟いて居た。 確

          ドリーム・デスゲーム 2

          ドリーム・デスゲーム 1

          ある都会の街で大規模な爆発事故が発生した。 かなり有名な施設で、野次馬たちが大勢来ていた。 人々がその建物の周りに集まる中、僕と兄はとある噂を聞き付けて、野次馬たちから少し離れたところで様子を見ていた。 すると0時になると共に、近くのスピーカーから女性のアナウンスが聞こえた。 「只今よりゲームを開始します。爆破建物の周囲80m以内に居る場合は、速やかに建物付近に集まってください」 野次馬たちや、イベントの告知をネットの掲示板で見つけ興味本位できていた者たちは、不思議に思い

          ドリーム・デスゲーム 1

          不自由に、手紙を綴るような

          ぼくの前には壁がある おおきく分厚い壁がある それは六角形(ヘキサゴン)に囲まれた ちいさなちいさなぼくの世界 内側でぼくは何かをつくって でき上がる度、 かべの向こうへ投げる それらは時々見つけられて 運良く誰かが拾ってくれる 軽いモノだけが外へ出られる 翼のあるモノだけが羽ばたける おもくて空虚で無意味なぼくは ふたたびつくっては上へ投げる とおく、遠く、とおくの誰かへ 本当にみてほしいのは"それ"じゃなくて いつか、いつか、いつの日か 翼が生えますように

          不自由に、手紙を綴るような

          ユメと きみだけが知っている.

          人、人、人、人。 今の世界ではもう、こんなに人が密集することなど有り得ない程に、人。 そんな多くの人が押し合って、押し合って、まるで波打つ 海のように見えた。 「待って!!」 360度。 その海に囚われ、うまく身動きが取れなかった。 波の先、何も無い空間にぽつりと置かれたひとつの扉は、流されるままに僕から遠ざかって行く。 「待って!! あなたは!!」 目が回りそうなほど波に弄ばれながら、必死にその人物を呼ぶ。今を逃したら二度と会えない、その誰かに。 その人は、

          ユメと きみだけが知っている.

          黑い翼の ユメをみた.

          ただ白く大きな鳥のようなその生き物は、 数百年ごとにこの世に現れては人間を観察し、死に際に特別な雪を降らせるという。 . . ある寒い冬、いつものようにベランダに出ていた。ふと上を見上げると、屋根の上に白い鳥が居た。 僕はそれを何故か、カラスだと思った。 それはカラスよりもずっと大きく、そしてからだは真っ白いと言うのに、何故か。 いたずらをしているようでもないそのカラスのような生き物に、僕は「何してるの?」と話しかけた。 驚いたのか、その生き物はバサッ!と一瞬、翼を

          黑い翼の ユメをみた.