難しい概念をわかりやすく説明する方法
「本当に頭がいい人は難しいこともわかりやすく説明する」とよく言われる、それに対して高学歴は「わかりやすく説明すると正確さが失われる」と反論しがちである。
結論を述べよう。「正確さを失うことなくある程度難しいことを簡単に説明することも可能である。正確さを失うとしても、『正確さは失っている』と宣言すれば嘘を言っていることにはならない。」
さて、ではどのように説明すれば難しい概念を簡単に理解させることができるだろうか?
例
私がよくやるようなやりとり。
ポイント
結論を先にいう
例:「アイザックニュートンだと思います」
やっぱ結論を先に言った方がわかりやすい。国語でよく「要旨を抜き出せ」みたいな問題があったが、やはり最初に結論を言ってくれる文章は正解しやすかっただろう。
文章構造を明確にする
例:理由としては現代の物理学を創始した人物だからです。具体的には3つの功績があります。
聞き手にどう聞いてほしいかを明確にする。議論の場合でもこの構造にしておけば「理由2について反論があるんですが~~」みたいな抜き出しが可能になる。
例:この話は難しい説明のしかたと簡単な説明のしかたがあって、まず難しい説明をすると〜、簡単な説明のしかただと〜
この構文はよく使えるのでtipsとして提示しておく。一旦森を見てから木を見るのはよく使う。
どうでもいい話は事前に断りを入れる
例:どうでもいいですけど、ニュートンがリンゴが落ちるのを見て重力の法則を発見したって逸話は嘘らしいですね。
どうでもいい雑学はそもそも挟まなくていいが、挟んだ方が面白いときは断りを入れてから挟もう。
どうしても簡単に説明できないものは断りをいれる
例:2つ目は微分積分の発見。まあこれは結構難しいんですけど、ざっくりいうと、無限に小さい時間に変化する量を簡単に数式で扱えるようになったということです。
どう頑張っても理解させられないものについては妥協するしかない。正確さを期すために「ざっくりいうと」みたいな断りを入れよう。
例え話でウソをつかない
ウソばっかりの例え話
ウソは言ってない例え話
ウソをいうと変な勘違いするからね。なるべくウソはつかない。
重要な話は時間を取る
例:3つ目は~
言いたいことは妥協せず時間をとってゆっくり説明しよう。
専門用語は使わないか、説明する
例:相対論ではガリレイ変換が成り立たなくてローレンツ変換になるから運動方程式はそのままじゃ成り立たないんですよ。→トル
例:微分方程式が使えるようになったということです→無限に小さい時間に変化する量を簡単に数式で扱えるようになったということです
例:「月がいつも地球に同じ面を向けているのは、「潮汐ロック」って言うんですけど、どういうことかというと……(説明)」
と言う感じでなるべく専門用語は使わない。3つ目の例のようにあえて専門用語を出すのは、今後の会話でよく出てくるであろうとか、なんか用語がかっこいいとか、あとでググってほしいみたいなちゃんとした理由があるときに限るべきだ。
ゆっくり話す
聞き手がちゃんと考えながら聞けるようにしよう。
質問は聞く
話を遮って質問してくる質問者もいるだろう。ちゃんと質問をきいて答えよう。そうしないと前提を理解しないまま勝手にオタク早口トークすることになる。
聞き手の理解を確認する
例:やばくないっすか?
例:「ここまでついてこれてますか?」
これ、本当に大事。
ジェスチャーを使う
指で「1つ目の理由は…」みたいなことをやって文章構造を明確にしたり、物をイメージさせたりするのに大事。図を見せられるときは図を見せよう。どんな図を見せるかは知識と力量が試される。
なるべく対面で話す
オンラインで話すよりも対面で話した方がいい。いわゆるメラビアンの法則である。人間のコミュニケーションは聴覚だけではない。
まとめ
というのが私が塾講師や、バーの一日店長で宇宙を解説する際にいつも実践している説明のコツだ。ひとことで、本当にざっくり言えば、聞き手に会話の構造をメタ認知させてしまうという手法だ。ぜひ実践してみてくれ。
以下投げ銭用の文章がない部分。
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