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Mikoto
2024年3月11日 22:50
プロローグ 鍵詰めのついた針が何本も体に刺さる。そんな簡単には離れない痛みが身体中に巡る。 中学校へ向かう愛音の足取りは、足枷をはめているようにずっしりと重い。前は霧で包まれているように真っ白で、頭のネジも鈍い。油をささないとこれはダメだ。 ああ、愛音の表情はなんて酷なのだろう。顔は青白く、まるで生気が抜き取られているようだ。悪党に親を残酷にも殺され、家に帰ればその悪党にこき使われる生
2024年1月20日 20:11
セミの鳴き声がうるさすぎる夏の真ん中、私は青い空にのっかっている綿菓子を眺める。少し重いペダルを漕いで風を切った。 学校に到着して、2-3の教室の席についた。 早くきすぎたな、なんて退屈しながら騒がしい教室の中を見た。「お前ほんと地味だよな!」「やめてよ」そんな声が座席一つ挟んだ先で、群がる3人組から聞こえた。「そういうこと言うのはやめて」「えーなんてー?!」 あー正直関