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#7「ロケットマン」

エルトン・ジョンの成功と苦悩の物語

グラミー賞受賞歴5回、ゴールドディスク獲得26枚、そしてシングル盤の世界No.1 セールス記録。これらの偉大な記録を成し遂げた天才アーティスト、エルトン・ジョンの人生をミュージカル映画化したのが『ロケット・マン』です。

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「キングスマン」シリーズでブレイクしたタロン・エガートンがエルトン役を務め、吹き替えなしで歌唱シーンを演じています。エルトン・ジョン本人も製作総指揮に名を連ねているほか、主題歌「(アイム・ゴナ)ラヴ・ミー・アゲイン」が第92回アカデミー賞の主題歌賞に輝きました。

本作の少し前に公開された「ボヘミアン・ラプソディ」の二番煎じなんて言わせない、良作。

あらすじ

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グラミー賞を5度受賞したイギリス出身の世界的ミュージシャン、エルトン・ジョンの自伝的映画。並外れた音楽の才能でまたたく間にスターへの階段を駆け上がっていった一方で、様々な困難や苦悩にも満ちたエルトン・ジョンの知られざる半生を、「ユア・ソング(僕の歌は君の歌)」や「ロケット・マン」など数々のヒット曲にのせたミュージカルシーンを交えて描いていく。イギリス郊外の町で両親の愛を得られずに育った少年レジナルド(レジー)・ドワイトは、唯一、音楽の才能には恵まれていた。やがてロックに傾倒し、ミュージシャンを目指すことを決意したレジーは、「エルトン・ジョン」という新たな名前で音楽活動を始める。そして、後に生涯の友となる作詞家バーニー・トーピンとの運命的な出会いをきっかけに、成功への道をひた走っていくが……。

主人公の心とリンクした名曲をミュージカルで

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『ロケットマン』では、挿入曲の歌詞とエルトンの心情がとても深くリンクしています。ファンにとっても、聞き慣れた名曲たちが「本来の歌詞の意味合いはこう言う事だったのか!」という新鮮な驚きを体験できるはず。

ちなみに
「ロケットマン」と「ボヘミアン・ラプソディ」は比較されがちですが、それもそのはず。ともに70年代にデビューした実在するイギリス出身のアーティストの伝記的映画なのです。
そして両作の主人公はゲイであり、その生涯は華やかな表向きとは裏腹に苦悩に満ちていました。おまけに2本の映画の監督は同一人物(デクスター・フレッチャー)なのです!

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『ロケットマン』は、事実を元に作り上げられたミュージカル映画である一方、『ボヘミアンラプソディ』はライブやレコーディングでの演奏場面を忠実に再現しており、作品の方向性が全く違います。ですから、『ロケットマン』ではミュージカルとしてのデフォルメや過度な美的演出の他、劇中曲のリリース順とストーリー上の年代は殆ど関係はありません。

『ボヘミアンラプソディ』のクライマックスは、ラストシーンのライブ・エイドのパフォーマンスシーンですよね。物語はそこに向かって盛り上がるように作られています。対して『ロケットマン』は、数々のミュージカルシーンが本作品の見どころなのです。

歌唱シーン吹替なし!タロン・エガートンの圧倒的な歌声

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なんと本作の歌唱シーンは一切吹替なし、主演のタロン・エガートン自身は歌っています。観たら分かります。彼の圧巻のパフォーマンスに「すごい」としか言いようがりません。

かつてタロン・エガートンが吹替えを務めた「SING/シング」でもその歌唱力を披露済みらしいですが、私は似たことありませんでした笑

SCREEN onlineでのインタビューでは、『プレッシャーだったけれど誇りに思っているよ。本作の製作プロセスで魅力的だったのは、エルトンの名曲の数々を、ある程度まで自由にアレンジすることができたこと。エルトン本人が製作に加わったことが大きかったと思う。どこまでやっていいのかを本人と話し合うことができたからね』と答えています。

最後に

私も最初見るまでは、他の映画(ボヘミアン・ラプソディ)観たいかなあとためらっていましたが、観終わったときにはささっと見ればよかったと思いました。皆さんも圧倒的な演技と歌唱力をぜひ体験してくださいね!

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