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私の映画備忘録 #4 「Ford VS Ferrari」

前回のF1に続いて、車をテーマにした作品にフォーカス!
今回はル・マン24時間耐久レースを題材にした作品を紹介します。

運転席からの眺めは臨場感満載!

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本作を鑑賞したのは飛行機の上でした。
でも、自分自身も主人公と一緒に運転席に座って走行しているような、そんな興奮を覚える映画体験がありました。(4DXで鑑賞したらもっとすごい没入感が味わえたかもしれません・・・)

魅力的な2人の主人公が織りなすストーリーと、小さい画面で見てもレースの感動を味わえる臨場感をぜひ体感していただきたい一作です。

あらすじ

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マット・デイモンとクリスチャン・ベールが初共演でダブル主演を務め、1966年のル・マン24時間耐久レースで絶対王者フェラーリに挑んだフォードの男たちを描いたドラマ。
ル・マンでの勝利を目指すフォード・モーター社から依頼を受けた、元レーサーのカーデザイナー、キャロル・シェルビー(マット・デイモン)は、常勝チームのフェラーリ社に勝つため、フェラーリを超える新しい車の開発と優秀なドライバーの獲得を必要としていた。シェルビーは、破天荒なイギリス人レーサーのケン・マイルズ(クリスチャン・ベイル)に目をつけ、一部上層部からの反発を受けながらもマイルズをチームに引き入れる。限られた資金と時間の中、シェルビーとマイルズは力を合わせて数々の困難を乗り越えていくが……。

引用元:映画.com

監督は「LOGAN ローガン」のジェームズ・マンゴールドです。本作は第92回アカデミー賞で作品賞を含む4部門でノミネートされ、編集賞と音響編集賞の2部門を受賞しました。

時速300 kmの世界

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おすすめポイントはもちろん、ル・マンのレースシーンです。
300 kmで走行するレースカー運転席からのショットを見たら、主人公・ケンになって運転しているかのような臨場感たっぷりの映像に魅了されるはずです。この感情は作品を見てもらうのが一番早く伝わると思います(笑)

GENROQ Webの記事によれば、監督の「コンピューターグラフィックスは使いたくない」という意志のもと、CGを多用せずに実際に1960年代に用いられたボディを使ってアナログ的表現に挑戦したのだとか。

ちなみにエンジン音も当時の記録フィルムを使ったり、古いV8エンジンを実際に回したサウンドをサンプリングしているそうです。クルマの質感とリアルなサウンドがあいまって、あの臨場感が作られているのですね。

フォードVSフェラーリ、現場VS経営陣・・・幾つもの対立

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物語は、タイトルの通り「フォードVSフェラーリ」となっていますが、作品内の対立はシェルビー&ケンVSヘンリー・フォード、現場VS経営陣、ブルーカラーVSホワイトカラーというように、いくつもの対立が重なっています。

フォードの現場監督に抜擢されたキャロル・シェルビー(マット・デイモン)は、ケン・マイルズ(クリスチャン・ベイル)をフォードのドライバーに起用します。ケンは短気ではあるものの有能なドライバーでした。しかし、フォードの経営陣はなかなか彼を理解しようせず、シェルビーは双方に板挟みになりながらも、ドライバーや現場を優先するべく奔走します。

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試行錯誤の末、フォードは1996年に輝かしい結果を手にしますが、ここでもシェルビー&ケンのいる現場側は経営陣に振り回されます。スーツに身を包んだ経営陣は、ブランドイメージを上げようと「つまらないアイディア」を押し付けてくるるのです。果たして、フォードの内なる戦いは最後どうなるのでしょうか・・・

そもそも「ル・マン24時間レース」とは?

作品を見る前に、「ル・マン24時間レース」についても勉強しておきましょう!レースについても知っておけば、より深く作品が楽しめますよ。

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「ル・マン24時間レース」は世界で最も過酷な自動車レースのひとつです。1923年から続く自動車耐久レースで、パリの南西約200kmに位置するロワール地方の都市「ル・マン」で行われることからその名がついています。直近の大会では、トヨタが1-2フィニッシュでレースを制しましたね。

F1のモナコグランプリとアメリカのインディ500と並ぶ「世界三大レース 」であり、デイトナ24時間レース、スパ・フランコルシャン24時間レースとともに「世界三大耐久レース」とも呼ばれます。

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本大会では、3人のドライバーが交代で運転するマシンで、1周13km超のサーキットを24時間、計5,000km以上も走らせます。昼には夏の太陽がじりじりと照りつける一方、夜には肌寒くなるほどの気温差も珍しくありません。

この過酷な条件下で行われる長時間レースは、自動車技術の実験の場であると言われています。レース車両やその周辺環境に新技術が試され磨き上げられてから乗用車へ展開されることが多いのです。例えば、ハイブリッド車で挑むトヨタにとって、ル・マンはハイブリッドの研究室のようなものなのです。(参考: https://wired.jp/2017/07/04/toyota-le-man/ )

最後に

前回のF1回に引き続き、車の世界を見てきましたがいかがでしたでしょうか?車は詳しくないし・・・と躊躇うことなく一度見てみることをお勧めします。ただレースするだけではない人間ドラマが隠れていますし、もちろん自動車レースを知るという意味でもとても良い機会になると思います。

それでは良い映画の旅を〜



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