香純

届けるすべをもたない私のはきだめ

香純

届けるすべをもたない私のはきだめ

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底。

いつからか分からないけれど わたしは君が死ぬことが怖くなった 君のほぼすべてを見せてくれたとき わたしは、 君が死にたいならそうすればいい 止める権利なんてないから そっか、て受け止めて生きていくよ みたいなことを言った 今も奥にある気持ちは変わっていない。 わたしには 君の苦しさ寂しさをなぞることはできないから それは君にしか分からないから あなたが本当に死にたいのならそうしたらいい と思っている だけど 今はこれを言いながらすごく涙が出る 一緒に重ねた時間が

    • 恋文未満

      私が今寂しいのは、あなたがいるから。 でも君の寂しさはそうじゃない。 わたしのせいじゃない あなたは あなたが出会った人、出来事、過去のいろんなことで寂しくなる。 わかるよ、て言ってくれる。 たぶん本当にわかってくれている。 でもその瞬間で気持ちが交わることはない 一生この寂しい気持ちが交わることはないんだと、毎回思ってしまう 同じ気持ちでいられることを望むことはおかしいのかもしれないけど、 この交わらなさのせいで一方通行を突きつけられている気がしてしまう だから寂

      • 大丈夫になれない

        こみ上げてくるなにか。 眠りにつこうとするとたびたび 胸がいっぱいっぱいになる 生きているのが怖くなる 自分はこれがしたい、というのがわからない 誰かの右腕になりたい と数ヶ月前の私は言った 自分が表舞台に立つ人間でいたい という願望はあれど 自分にその資質は見いだせず自信もない だから表舞台の人間を支え なるべく同じ景色を見れるような位置に、と。 だけどそれはずるいことではないか。 最初から表に立つことを諦めていれば このような考えにはきっとならない だけど私は諦

        • カタオモイの覚悟

          特異な光を放つ人間は 不遇だった人が多いのではないか それならば 生まれた環境次第でそうなれるかなれないか、 ほぼ決まってしまっているようなものである 私は有難いことに幸せに生きてきてしまった その光を持つ要因は きっとそれだけではないのだろうが 大きく影響されると私は思っている 私には 救わなければならない過去の自分はいない その時々で折り合いをつけて昇華できていたから どの瞬間も自分を救済できていたから 大きな原動力になるような歴史も私にはない 自分が憧れている

          灰色の夜

          あたりまえ、なんてものは存在しない あたりまえというその意識のせいで 誰かを傷つけてしまうことがあるのだ 幼い頃、無条件の愛をもらえなかったあなたが それを教えてくれた いわゆるエンタメというものでは たいていの場合は当然のように 家族は「愛すべき家族」とされている 充分すぎる程の愛をもらってきた私は そこに何も疑問を抱いてこなかった 抱けなかった、という方が正しい 恥ずかしい、情けない 世界がまた少し開いた瞬間だった これからはその誰かを傷つけなくて済むのだ そう

          灰色の夜

          推しが名前を変えた日

          "恋とか愛とかはわからないけれど 推しへの気持ちはいつだって明確 これは絶対にすきって気持ちだ" 私の最愛の推しが名前を変えた 推しも、そのためにつけた名前の私も いなくなった 自分の一部が消えたようなそんな感覚 出会ったのは3年前 色々あって一緒にいたのは604日 そのどれもが大事だった 学生時代はオタクだった その私が、今までのはなんだったのかと思わされるほど惹かれた 顔も知らない 名前も知らない 歳も知らない ただ 声、話し方、テンポ 見えないものすべてが

          推しが名前を変えた日

          オネスティ

          "友情では無い、きっと。 友情ならば、他人を傷つけたりはしない。 恋でもない。恋なら、すでに終わっているから。 ならばそれは、やはり愛という言葉しか見つからない。" あとがきより。 こういうものが読みたかった これを読んで真っ先に思い出し、読んで欲しい人がいた 私はとてもすきな本に出会ってしまった 石田衣良の本はたまに読む、というレベル そもそも私は本を頻繁に読む人間では無い ただそれでも私は、以前から石田衣良が描く性の表現がすきだという自覚があった 柔らかく官能的で

          オネスティ