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オネスティ

"友情では無い、きっと。
友情ならば、他人を傷つけたりはしない。
恋でもない。恋なら、すでに終わっているから。
ならばそれは、やはり愛という言葉しか見つからない。"

あとがきより。

こういうものが読みたかった
これを読んで真っ先に思い出し、読んで欲しい人がいた
私はとてもすきな本に出会ってしまった


石田衣良の本はたまに読む、というレベル
そもそも私は本を頻繁に読む人間では無い
ただそれでも私は、以前から石田衣良が描く性の表現がすきだという自覚があった


柔らかく官能的でとても心地いい
それでいて痛みを感じることもできる


どのような生き方をしてきたら、性をここまで描くことができるんだろうか

非常に下世話な話だが、
このような言語化をできる人達が
どう人を愛すのか、
どんなセックスをするのか、
とてつもなく気になってしまった
といっても今の私にそれを知る手立てはないのだけれど。


ミノリの魂の双子の片割れはカイだった
私にとってのそれも、たしかに存在する
私にもいたのだ、と改めて気づかされる
それはとても幸運なことで、
だけどきっと普通の幸せは手に入らない

それでもいい、というより私はその方がいい



世界にある言葉で表現するならきっと愛であろう言葉にしたくないこの気持ちを
世界すべてに発信し
たった1人のその人に届ける

カイが絵を描くという類のその誰かに届ける術が
私にはないことをとても悔やんだ
どう伝えたらいいか分からない
どう伝えられたらいいのかも分からない
でも言葉にできない信頼と安心がそこにはある

同じ星、同じ魂から生まれた片割れ
という感覚を持てた幸運を大事に生きていきたい


私がここで綴る言葉が巡り巡って
そのたった1人に気づいてもらえることを
少しだけ願っていよう

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