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キラジュワサク #22
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本を読んだ。松浦弥太郎さんの「伝わる力」。まだ少ししか読んでいないけれど好きだと思った。
あなたにはどんな味の記憶がありますか、との問いかけで終わる章がある。少し自分の味の思い出について考えてみる。
私の味の思い出は「煮カツ」だと思う。
我が家ではトンカツを甘辛く醤油と砂糖とみりんで煮る料理を「煮カツ」と呼んでいた。卵も玉ねぎも入っていない、ただ煮てあるだけのいたってシンプルなもの、カツ煮でもない。
小学生の頃、共働きだったので平日は祖母、土日は母親がたくさんの品数の料理を作ってくれていた。毎週末には決まって、リクエストしていたのだ。「煮カツ」の日は早くあのじゅわっとした幸せを味わいたい!その一心でルンルンで帰る。
食卓に並んだキラキラした料理たち、その中でも一際輝いていた。口に運ぶと一瞬にして幸せが訪れる。その幸せそうな顔を見て母も嬉しそうな顔をしてくれていたのを思い出した。
私は食卓を囲む時間が本当に好きだった、と家族と離れて暮らすようになってから知った。たわいのない時間。あんなにホッとする場所があることは尊いことである。
人間が結婚をして家族をつくるということは食卓をつくることに直結している、と思う。少なくとも私はそうであるし、家族ができた時そうでありたい。だからこそ食を大切にするんだ。
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