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短編小説集

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自分の短い私的なそして詩的な小説をまとめてみようかと思いとりあえずやってみます。
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2023年10月の記事一覧

短編詩的小説「レモンの世界」

短編詩的小説「レモンの世界」

手のひらで、檸檬を、もてあそんで、戻す。
その人はそれから席をたっていった。

動きに眼が離せなかった。

浮かびあがるその香は、ほそい螺旋を描いて消える。

もう他の誰のこともみえないのだ、と心臓が高鳴る。

氷がまるく、傷つけられてグラスに収まった。

ひとくちだけなめて、帰りたい。

でもこの高鳴りは身体に重く重く圧をかけ、

小さく開いた窓からみた月が、大きくて、怖いのだ。

ところが檸檬

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短編詩的小説「11本目の指の世界」

短編詩的小説「11本目の指の世界」

電話する。
男がでた。

待つのは嫌いだというと、切れた。

月あかりのもと、バルコニーでシガレットをふかしながら、いち、に、さん、4、 5、6で、見えない最後の足の指を数えた。

冷たくて誰もいない夜の牧場を夢想して、昔は祈るように眠って。

今はベッドに戻って眼をこれ以上ないくらいひらいて、身体中の水が乾くのを待ってる。

愛しい指。

光はきらりと滑って堕ちた。

もうない。わたしの愛しい指

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「静香の世界」

「静香の世界」

静香は最初、何を言われているのか、把握できなかった。

わいわい、がやがや。

そして静香は静香という名前からして、本当に静かな女子だった。

(何せ丑年だもんね、遅いよねぇ、が母の口癖なくらいだ)

そこは夜の混沌とした、同窓会という名の飲み会の席でのことだったのだ。

わいわい、がやがや。

「お前その歳で彼氏もいねーのかよ笑」

そう、静香の脳内にやっとその意味が届いた時には遅かりし、なんち

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短編詩的小説、「小さな世界」

短編詩的小説、「小さな世界」

 泣き出しそうな夕日が私をみてる。
 私はどこにいるのだろう。

そこは病院、いつもの時間。もう余命とかなんとか疑わしい医者の発言で元気のない妹がベッドで泣いてる。説得力だけは定評のある私の「大丈夫」を繰り返す。

そこは私の家、いつもの時間。父が夕刊を読み、バッハを聴きながらそれ以外何も関心ないかのように、そこにいる。座ってる。

そこは学校のアトリエ、いつもの時間。友達がシャツの袖から、ほんの

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