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『僕はイエス様が嫌い』の制作部をお手伝いした話②ー「制作部」とは

こんにちは、Jinkingtoshです。

前回のnoteの続きです。

集合場所に指定されていた大学のある施設の1室に到着すると、そこには僕に電話をくれた先輩と奥山大史監督、プロデューサーの吉野匡志さんとラインプロデューサーの黒川莉子さんの4人がいました。

人見知りな性格であった僕も今までの現場のアウェー感で多少は慣れ始めていたのか軽く挨拶を済ませ、早速作業に取り掛かりました。

ここで、僕は映画制作における「制作部」の働きを知ることになります。

制作備品の収集

制作備品とは、映画内に写り込むように使用される美術の道具とは異なり、撮影現場でスタッフが使用する道具のことを指します。例えば、機材を機材車から撮影現場まで運搬するための台車や、撮影機材を保護するための毛布やパラソル、役者の方々のためのヒーター等がこれに当たります。

リストに記載されていた必要な制作備品を収集するために、数少ない友人らに片っ端から電話をかけていき、貸していただけないかとお願いしました。

幸いにも何人かの友人や放送研究部に助けていただき、絶対に必要であった制作備品はほぼ揃えることができましたが、追撮等の事情により返却が遅れてしまった方や直接お礼ができなかった方には、今でも少し申し訳なく思っています。本当にありがとうございました。

また、僕の私物のポットが美術の小道具として本作に出演することになり、とても嬉しかったです。別荘で大隈和馬(大熊理樹さん)のお母さん(佐伯日菜子さん)がココアを注ぐシーンを是非ご覧ください。

この日から制作部のお手伝いをする日々が始まります。

道路使用許可申請

道路を使用して撮影するシーンがあったため、必要書類に諸々を記載して、人生で初めて警察署に道路使用許可の申請をしに行きました。そもそも警察署に行くのも久々で少し緊張しましたが、何事もなく受領していただけて助かりました。

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その他

他にも、病院や教会等の一部のロケーションハンティングに同行したり、撮影現場の清掃・片付け衣装の整理等も行いましたが、これらは制作部の必要な動きとしては、ほんの一部に過ぎず、監督を始めとする主要なスタッフの方々は、文字通り一分一秒も無駄にできないというほどに忙しくなく動き続けていました。

ほんの一部ではありますが、その負担を少しでも軽減する一役を担う働きができていたならと願うばかりです。

↓ロケーションハンティングに向かうスタッフの皆様

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↓衣装整理を行った衣装部屋

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皆様が映画制作に対してどのようなイメージをお持ちでいるのかは、あまりわかりませんが、その実情はあまりに地味な一つ一つの積み重ねの上に成り立っています。それぞれにかかる時間に関して言えば、撮影は全体のほんの少しの時間に過ぎません。撮影にかかる以上に膨大な時間を準備等のいわゆるデスクワークに注ぐことになります。

つまり、映画制作とは、メインは撮影ではなく、その撮影のための準備がメインになるのです。

また、この時には実際の撮影現場をこの目で見たいと感じ始めていたので、既に始まっていた自分の作品の撮影日を無理言ってリスケしていただき、本作品の撮影現場に同行させていただくことになります。

次回は、撮影現場での経験について書きます。


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