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『僕はイエス様が嫌い』の制作部をお手伝いした話③ー撮影現場

こんにちは、Jinkingtoshです。

前回のnoteの続きです。

制作部としての数多の撮影準備を終え、いざ撮影日を迎えることになります。僕が参加させていただいた撮影は、2018年2月の真冬の群馬県での現場でした。

雪が降り積もる地域に不慣れな自分は、非常に寒い思いをしたことを覚えています。もっと着込んでいけばよかったと、撮影現場に向かう前の早朝の集合場所(東京)で既に後悔していました。

撮影現場に向かう道中でも渋滞や雪道でのトラブル等ユニークなイベントがいくつか発生しましたが、ここでは割愛させていただきます。また、写真家の持田薫さんとこの車中でご一緒し、今でもたまにご飯に一緒に行くなど仲良くさせていただいております。

1日目

遂に自分たちが撮影現場に到着した頃には、日も暮れ始めており、既に撮影が開始していました。

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撮影現場独特の雰囲気や緊張感に飲み込まれないよう、とりあえず目の前の撮影がひと段落するのを待ちながら、次の撮影場所である別荘内に荷物を運び込みました。

その別荘内は、部屋の雰囲気がとても素敵でした。

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テーブルの上に並べられている食事はもちろんのこと、背景として映る部屋の様相まで、数々の美術小道具を並べ、その世界が表現されていました。映像を通してでなくとも、その温度感や雰囲気が伝わってくるものでした。

また、役者の方の演技もあまりに自然で、撮影が始まる前から役としての関係性もが感じられて、これがプロかと感嘆したことを覚えています。

奥山大史監督の堂々としていながら柔和で真剣な姿は、撮影の準備段階の穏やかな感じとあまり変わらないまでも、やはり強い気持ちが伝わってくるようで格好良く見えました。

僕は蝋燭に火を点けたり、美術の小道具の位置を微調整したり、以前の現場でもご一緒させていただいた照明の岩淵隆斗さんのお手伝いをしたりしていました。

ちなみに、佐伯日菜子さんの公式のFacebookにおいて2019年5月27日に投稿されている以下の写真に写っている銀髪が僕です。

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その後、夜までこの場所で撮影をして、機材等を再び機材車に詰め込み、宿に向かいました。

その宿のお風呂は、凍えた僕の体に非常に感動的な温もりをもたらしてくれました。正直な話を言えば、あまり睡眠時間をとることはできませんでしたが、先述の写真家の持田薫さんと同部屋であったことで、その時間はとても貴重なものであったと感じています。

2日目

次の朝は、小学校での撮影に向かうことになりますが、僕は機材等の運搬の都合で後発組でした。その待ち時間で、何故か宿のおばあちゃんに優しくしてもらい、黒豆や温かいお茶をいただきました。

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そして、人の温かみを感じ、田舎の良さを痛感した僕は、機材車でいよいよ撮影現場へ向かいました。

僕は機材を運んだり、役者の方のための着替え室を作ったり、教室の美術を手伝ったり、一部のカットでカチンコを打たせていただいたりしました。

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また、最も印象に残っているのは、小学生のエキストラに指示を出す役目を行ったことです。それぞれの小学生の立ち位置やそこで行う遊び等がある程度決まっており、雪が積もるグラウンドだったため寒がってしまったり、指定された遊びに飽きてしまったりと、弟や妹がいるわけでもない僕にはとても難しかったですが、何とか撮影を終えることができました。

ちなみに該当シーンは、以下の予告編映像の冒頭から0:10くらいまでの窓の向こうに映る遊んでいる小学生たちです。

終わった後には、スタッフの方に「お疲れ」と声をかけていただいたり、「エキストラ演出プロ」と書いていただいたお茶をいただいたりして、ちゃんとやれてたのかと一安心することができました。ちなみに、このお茶は本当に救われた思いがして嬉しかったので、今でもそのペットボトルを取っておいてあります。

その日も夜まで撮影をしました。

夜の教室のライティングが幻想的で、飲み込まれるような感動を覚えました。色を使う照明はやっぱり好きだなあと再認識した瞬間でもあります。ぜひ映画を観て感じてください。


一通り片づけを終え、その日の撮影を終了した後、僕は先に帰宅しました。次の日も撮影はありましたが、自分は何かの予定が入っていて帰宅しなければならなかったことだけ覚えています。その予定は特に思い出せません。

書いていて思いましたが、本作で自分が関わった撮影現場は、このたった二日間でした。しかし、あまりに濃厚で学ぶことも多かったこの二日間は、自分にとってかなり大きな経験の一つになったような気がしています。

次回は、編集作業を覗かせていただいた話や試写、その後の自分について書きたいと思います。



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