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「物理学者のすごい思考法」を推奨する3つの理由

「物理学者のすごい思考法」を読んだ。

私、残念な事に物理学の事など全く分からない。
そんな私でも読んでいいんだろうか。
最初はちょっと迷った。

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でも日本の人口は1億2,500万人(2021年現在)いて、そのうち物理学者は1万人くらいだからさほど多くないし、そういった人たちだけが盛り上がる本ならもっと難解な内容になるだろう。筆者は一般の人にも伝えたい事があって執筆したんじゃないかな。
そんな風に勝手に解釈しちゃって申し訳ないけど、なかなか興味をそそるタイトルだったから読んでみる事にした。
さて、どれだけすごいのかな、思考法。


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‥想像以上にすごいかも。

しかもクスっと笑える内容だったりする。

これは、若者にこそ読んで欲しいな。大人になってから思う事だか、子供の頃に些細なきっかけで見た映画や本に影響を受けて、「この出会いがなければ今の自分はなかったかも。」と思う事がある。この本が、そんな出会いになる学生さんもいるんじゃないかな。物理学者って、こんな風に世界を見ているんだ。こんな仕事があって、こんな日常を送っているんだ。うわ!面白い!ってなるかも。

読み終わった後には、長男(中学生)に勧めるほどだった。
以下に推奨する理由を書いてみよう。

推奨する理由その1

物理学者のエッセイ本を読んでいると知的に見える
本の内容とは全く関係ないんだけど、本のタイトルって大事だと思う。
この本、タイトルがいかにも理系の頭いい人が手に取るのかな、と思わせるような響きがある。

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これを電車で読んだら、私だって知的に見えるんじゃないか?
でも内容は難しいものではなく、物理学者の化学エッセイである。知的に見せかけて、中身は笑えるエッセイ。心踊るエッセー。
物理学者はもっと堅物で、ギャグとか伝わらないような人物かと思っていたけど、橋本幸士さんはユーモアのセンスが抜群だと思う。
ちなみに奥様は、もっと最高。

推奨する理由その2

子供時代のエピソードが興味深い

よく、頭のいい人達が「子供の頃は、どんな遊びが好きでしたか?」とかってインタビューを受けている番組を見たことがある。その返事は決まってレゴだったりする。あと、昆虫とか電車も好き。

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橋本さんもレゴや電車が好きだったようだが、ここら辺のエピソードが面白かった。小学生の頃の話だ。

時刻表という分厚い本を初めて知ったのはその頃である。書店に並んでいるその本には、びっしりと、列車の運行のダイヤグラムが掲載されていた。配線図は掲載されていないので自分で想像するほかはなかったが、それぞれの列車がいつ、どこを走っているかが手に取るようにわかる。ダイヤグラム作成の裏には、配線図が存在するのは明らかだった。
 これは、恐ろしいプログラムである。こんなものを作っている大人は、本当に天才だと直感した。列車が衝突しないように、かつ乗客の数や行き先を考慮して極限まで最適化された世界。この表を書いている人が、世界を支配しているのだ、そう漠然と信じるようになった。
(『物理学者のすごい思考法』(集英社インターナショナル)p129より引用)

さて、普通の子供が列車をみて、配線図とか路線図とかを気にしたり、このダイヤグラム作成した人が世界を支配しているとか漠然と信じるようになるだろうか。熱心な小学生の鉄道ファンならあり得るかもしれない。さわさりながらも、そう多くはいないだろう。
私が小学生だったら、何も信じない。列車すごいなー、くらいしか考えない。

物理学者になるような人は、深く深く物事を考えているんだな。
私がこんなに執念深く考えるのは、節約の事くらいだ。

きっと橋本さんは、なるべくして物理学者になったんだ、と感じるエピソードだった。

推奨する理由その3

一般人でも共感できる部分がある

目を閉じると、知覚や思考が際立つという内容を書いているが、これには私も共感できる。

特に歯磨き。


先日発見したのは、歯を磨く時に目を閉じる方法だ。僕は今まで、歯を磨く時には洗面所の鏡の前に立ち、自分の顔を凝視しながら歯を磨いていた。ある時気づいたのだが、僕は自分の顔を凝視しているだけで、歯を見ていないのだ。そこで、そっと目を閉じて歯を磨くと、歯ブラシが歯をこする感覚をダイレクトに感じられる。どの歯をどう磨いているかが非常によくわかるのだ。
(『物理学者のすごい思考法』(集英社インターナショナル)p134より引用)

私も歯磨きは丁寧にしたいから、目を閉じて行う習慣があるのだか、なるほどそういう事か。目を閉じた方が知覚が際立つんだな。

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次にご飯。


ふむ、食事の美味しさを最大限に味わうには、目を閉じればいいのだ。(p135より引用)

この一節を読んだあと、私も白米を目を閉じて食べてみた。
うわ!なんだかいつもより白米に味を感じる!よく噛むと、さらにじわじわと甘くなっていく感じがする。
うーむ。なんて味わい深いんだ。
「こんなに美味しいなら、おかずなんてもういらないね!」と家族に言ってみたが、誰も同意しない。おかずはやはり作らなくてはいけないようだ。
それはともかく、
私も集中したい時には目を閉じてみよう。
物理学者からいい事を教えてもらった。

まとめ

他にも面白い内容たっぷりなのだが、物理学あるある的な感想は、物理学に詳しい人にお任せしちゃおう。
いやはや本当に、面白いエッセイだった。
何も考えず、無思考で過ごしていた自分に喝を入れる事ができた‥かもしれない。
できれば続編を期待している。

#物理学者のすごい思考法

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