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1人の女の子を考える~桑山千雪①
お淑やかで清楚で、母性溢れるお姉さん。それが千雪さんと初めて出会った時の第一印象だった。アルストロメリアでは年下の双子姉妹を支えて、葉月さんとも絶妙な関係性を築き、シャニPとは新婚夫婦と見間違えるほどのお似合いっぷりだ。
しかし、千雪さんは、そんな絵に描いたような女性ではなかった。他のアイドルと比較して少し人生経験が多い彼女は、現実の厳しさを知っている。他のアイドルが持つ無敵の「若さ」が無いからこそ、嫉妬やひがみが内面から溢れる。決して美しいとは言えない感情だ。
僕が見る千雪さんが放つ光は、当初、鮮やかで優しいピンク色だったけれど、今、少しくすんで濁って見える。ただ、鮮やかさばかりが美しさではない。くすみや濁りを伴って、彼女が放つ光はより一層輝きを増している。GRADを読んでそれに触れた僕は、改めて千雪さんを考えたくなった。
まるで、女神のような完全さを求める
そもそも千雪さんは雑貨屋で働いている時にシャニPからスカウトされます。当初はお店を続けながらアイドルをするという条件で活動を開始しますが、体にガタが来て、結果として雑貨屋の仕事は諦めます。それでも、「自分と、アルストロメリアのみんなと、それからファンの方々に喜んでもらえる雑貨を作りたい」と決意を新たにします。
形を変えながらも、両方を頑張るということ。そして、両者に共通した「誰かを笑顔にする」ということを目標にします。
ここで言う「誰か」とは、「全て」と置き換えることができるような、そんな「完全さ」を感じました。それは、まるで女神のように。
突きつけられた現実の数々
そんな千雪さんの前に、数々のコミュは現実を突きつけます。イベコミュ・「薄桃色にこんがらがって」は、アイドルとしての桑山千雪の否定、そしてGRAD編では桑山千雪としての否定を感じているように僕は見えました。こうしたものを目の当たりにしたとき、千雪さんはそれをめちゃくちゃ人間臭い仕方で表現する。それが偶像と実像の狭間から生まれる千雪さんのくすんでいて、濁った輝きだと思いました。
憧れの雑誌企画のモデルに抜擢された甘奈を嫉妬してしまったり、自分に値段を付けたり、当初のイメージとは180度変わってしまった千雪さんが僕の中にはいます。でも、いや、だからこそ、その千雪さんが堪らなく好きで、応援したい。LP編や『アンカーボルトソング』も読めていないので、読んでみよう。
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※2021/9/8の日記に代えて
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