![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/60472028/rectangle_large_type_2_014bed0941eb9e8c4ab929138e3ed497.png?width=1200)
旧奈良監獄って知ってましたか。
私は知らなかったのです。
恥ずかしながら、私はコロナウイルス感染症による自粛期間中にハマった「SnowMan」によって知ることになりました。旧奈良監獄は明治五大監獄(千葉、金沢、鹿児島、長崎、奈良)のひとつで、日本の近代化の象徴なんだそう。監獄らしからぬ美しい建物です。
![画像6](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/60470438/picture_pc_805dcf801fd56f3ed9d5bdabfd02569e.png?width=1200)
映画など映像作品で使われることも多いようで、るろうに剣心の実写映画でも使われていました。(映画ファイナルの最後のシーンで、ほんの少し映っています)
私は割と日本史が好きな方で、百名城など史跡巡りが趣味のひとつなんですが、SnowManが出演している「少年たち」というB級映画(ごめんなさい)で観た時から行きたい!という欲が抑えられなかったんですよね。
ストーリー云々というよりは、この建物は一体何なのか?ということが気になって仕方なかったです。(映画はこちら↓)
明治政府は、江戸末期に結ばれた日米修好通商条約のひとつ「領事裁判権(=日本国内で外国人が罪を犯したとき、日本の法律ではなく本国の法律による裁判になる)」を改正したかった。
ただ、日本国民が黒船を見てその大きさに驚いたように、鎖国が続いた江戸時代は近代化が遅れていたんですよね。機関車も走っていなければ法律だって古い。
当時開国を迫ったアメリカは今後日本に訪れる国民が増えることも多くなるわけで、自国民が日本で犯罪を犯したときに、古くさい日本の考えで裁かれるなんてありえなかった。
(状況こそ違うけど、日本人が北朝鮮の法律で裁かれるのは嫌だ、という話ですよね……)
そのため、日本は欧米諸国と肩を並べることができるように法治的な国家を目指し、司法を整備、監獄での生活環境改善などを行って、領事裁判権の撤廃を目指した。そして、その取り組みのひとつが監獄だったというわけです。
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/60326001/picture_pc_560bfa568f1e666b1c22efb4b963172c.jpeg?width=1200)
そもそも監獄なの?と思うほどおしゃれな外観なのですが、これはロマネスク様式の赤レンガ建築で、広さは10万6千㎡だそうです。1908年に竣工、2017年に廃庁。
耐震の問題があったそうですが、建物のほとんどが当時のまま残っていて、中をぐるっと見学することが出来ました。
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/60326011/picture_pc_5e1456f9ad63aeb4089711055b77e13f.jpeg?width=1200)
監獄の本体・舎房は第一寮から第五寮まで五棟あり、中央看守所を中心として45度の角度つけて、ハビランドシステム(=中央に見張り所がある)で配置しているそうです。
つまり、中央看守所からすべての舎房を見渡すことができる、ということ。
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/60326311/picture_pc_7e41456ad04e15ca0383f8dcc6cbb963.jpeg?width=1200)
余談なんですが……
「君たちはどう生きるか」という宮崎駿監督の映画を観た時にこの形を同じシーンが出てくるんですよね。「あ、ハビランドシステムだ。」そう気づいたことで、あの映画がさらに深く感じました。
ちなみに伝わりにくいため写真を載せていないのですが、「マル房」というとても狭くて何もない部屋があります。そこは受罰者を閉じ込め、暗くし視界をなくし、寝具を与えない、という懲罰を行っていた部屋なんだとか。
非人道的であり、心身を著しく害する恐れがあるとのことで今は行われていないようです。そんな部屋も見学できました。
その部屋には壁に爪なのかなにかで刻まれたような文字が無数にあって、気持ちが重たくなったのを覚えています。
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/60470130/picture_pc_a1a8de81bcb035ae5631828ac66bb166.png?width=1200)
こちらは単独房。おひとり様部屋です。旧奈良監獄は4.7㎡、現在は単独室と呼ばれ、7.5㎡。どちらにしろめちゃくちゃ狭いですが。
3人で入る部屋もあって、旧奈良監獄では雑居房と呼びこちらは9.6㎡。3人で使うにはあまりにも狭い。現在は共同室と呼ばれ6人で25平米。広くなったような狭くなったような……?
普通に生活していたら監獄に興味を持つことはないと思うのですが、だからこそ初めて見聞きするものばかりで新鮮で、すごく勉強になりました。
残念ながら、現在旧奈良監獄は中に入って見学することはできません。
(※2023年現在、たまに見学ツアーを行っているようです!)
星野リゾートが2021年に1泊5万以上のホテルとしてオープン予定でしたが、その予定は2024年に延期されているそう。
私が見学したのはクラブツーリズムのツアー(2021年4月)だったのですが、この時点では「最後の一般公開」と謡っていました。ですが、その後何回か見学ツアーを行っているようなので、延期しているのかもしれません。
このタイミングで見に行けたこと本当にラッキーでした。SnowMan本当にありがとう...
![画像5](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/60470163/picture_pc_407cc7c0b084aceb0f50d6cfb7e80c1e.jpeg?width=1200)
ちなみに、監獄と言えば、北海道・網走の「網走監獄」が非常に有名ですが、これも同じハビランドシステムを採用していて構造は旧奈良監獄を参考にしているそうです。
大阪に住みながら、網走監獄は知っていたのに旧奈良監獄の事はまったく知らず、日本にはまだまだ埋もれている観光地、建物、色々あるんだろうなと改めて感じた建物でした。星野リゾートが楽しみです。
「少年たち」という映画は、ジャニーズに興味ないとなかなか手を付けないと思いますが、建物は本当にきれいなのでぜひおすすめしたい。※正直、話自体は面白くなかったです(小声)
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