たしかなここは夢でなく
いつからか近所にいたはずのカタツムリを見かけなくなった。いなくなった。
雨になれば、控えめな振る舞いを堂々と披露してくれた。
視線を変えるたびに彼方此方と目に映りこんだ。お世辞にも美しい色合いではないけれど、雨の風物詩でもあった。
年々に数を減らしていたことは、はっきりと気がついていた。
それでもいくらかは茶殻の彼らを見つけられた。それがいつからか本当にいなくなってしまった。どれだけ丁寧に目を凝らし探しても見えない。
彼らのお披露目に最適な雨朝、ここニ年くらい同じように繰り返