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人って強い。強くて弱くて、そしてやっぱり強い。


『Norikoさんは引き出すのが上手だね』
そう責任者に言われました。

何かと言うと
私はピアカウンセラーでは無いのですが
自分の過去を話す事に
全く抵抗が無くて
就労支援移行の講義の中で
ちょいちょい自分の事も話すのです。

それで皆さんも話しやすいのかも知れません。
いろんな話を私にしてくださるのです。

結構、相談支援事業所さんに連絡すると
『え?そんな話、初めて聞きました』と
言われる事が多くあります。

鬱と躁鬱を繰り返して
拒食症で週に数日、お姫様抱っこされて
車椅子に乗せられ
点滴に通う日々を過ごし
薬の副作用でホルモンがおかしくなって
妊娠してないのに母乳が出るくらい
強い薬も服用しました。

tatttoの数と同じくらいリストカットもしました。

再婚したのにDVで
これまた離婚するのに弁護士まで入れての
調停離婚。

利用者の方の多くが精神や発達の方で
いろんなバックグラウンドをお持ちですが
そんな方が
『そんな過去があっても、正社員でフルで働ける様になった過程が聞きたいです!』と言われるくらい
私もネタの多い人生。

色々あったけれど
それが、誰かの役に立っていると思うと
とても不思議な気持ちがします。

新しく利用を始めるのに
体験利用中の方がいらっしゃいます。
就労経験もお有りで
とてもシャイな方ですが
話しかけると丁寧に返してくださる方です。

色々話していると、
実は仕事で色々あって会社と揉めて退職した事や
DVで離婚調停中である事
2歳の子どもがいるけれど
自分が不安定な為にキツく当たってしまう事
そんな事を話してくださいました。

『今、1度に全てが同時進行なのはキツいですね』と言うと、そうなんですと頷かれる。
『でも父と母のサポートがあるので』と言われるので、
『今は周りの人達に、たくさん甘えて、頼って良いんですよ』と話しました。

子育ての事も
『妻でもない、母でもない、娘でもない、自分が自分であるだけ、という時間を作って、少しダラっと、ボヤッとする時間があっても良いんです』と話すと
子どもが小さいとなかなか難しいですね、と
少し笑って話されました。
保育園に預けていると言われるので
時々、延長保育なども利用して、
1時間でも良いから、自分って言う時間を作って
自分を休むと言う事も大切ですね、と話しました。

それからは子どもが寝ている時は可愛いけどねーとか
イヤイヤと泣き出したら一緒に泣きたくなるよねーとか
そんな事を話しながら笑いました。

福祉の世界っていろんな所と繋がって
1人の方の支援をしているので
その方と話した事を
相談支援事業所の担当の方に連絡した所
お子さんがいるのは聞いていたけれど、
調停離婚だったりは初耳でしたと
驚かれていました。

時には支援員として厳しい事も言わなくてはならない時があります。
それは、その方が目標とされる就職を見据えた支援には欠かせない事でもあります。
また、利用者の方からの依存をなくす為に
一定の距離を取る事も必要とされます。

最初は依存でも良いのです。
でも子育てと同じで
就職後は徐々に手を離して
企業側に居る支援者にバトンを渡さなければなりません。
いつも話を聞きますよ、と言う姿勢は取りつつも
手を離していくのです。

最初はとてもそれが罪悪感に思えて仕方ありませんでした。

でも働き出して
少しずつ社会の中に入っていく、
その中で自分が活躍出来る場を広げていく方々を見ていくと、とても嬉しくなるのです。

この手を離しても
この方は大丈夫だと笑顔で送り出す事が出来るのです。
毎日ハプニングは尽きませんが
とても幸せを感じる仕事でもあります。

『障害者福祉の仕事をしている』
そう言うと
大変ねぇ
気を付けなさいね
そんな事を言う人がいました。

何に??

大変なのは、どんな仕事だって大変だし
気を付けなきゃならない事も人も
どの職場にだっている。

私だって今だに広場恐怖があって
電車に乗るときはパニックとの戦いで気合いだし
誰にだって拘りの1つや2つあって
それが生活や仕事に支障をきたして居ないと言うだけの違いが
障害なのか、そうで無いのかなのです。
誰だって紙一重。


『どんな気持ちで障害者と接してますか?』
そう利用者の方に聞かれたことがあります。

私自身も紙一重なところがあって、正直、障害云々を強く意識した事はありません。
自分が経験した時、とても辛かった事
それだけは強烈に覚えています。
それを経て、社会に出ようと踏み出した時も
覚えて居ます。
その時の自分を思い出しながら
何か役に立つ事はないかなぁと思いつつ
接しています。

また、私が経験したことの無い事に関しては
出来るだけ勉強したり
知識を得たりして、理解とまでは及ばずとも
知る努力をしています。

そんな話をしていると
『福祉の仕事があってますね』と言われます。


いや、ヤングケアラーの走りだった私は
祖母の介助、介護で
絶対福祉の仕事は嫌だと思って居たはず。。。

おかしいなぁ💦
避けてたはずの職種なのに💦

仕事ってそんなもんなんだなと思いました。
好きな事を仕事にしたけど
結局好きで無くなったり
そんな話も実際聞きますしね。

自分に、どの仕事が、何が合うのか分からない
利用者の誰もが言われる事です。

先が分からないと言うことは不安でもありますが
逆を言えば
可能性は無限と言う事です。
そこに正しい知識を持って
的確な配慮があれば
可能性は無限に広がっているのです。

私が引き出すのが上手いのでは無くて
皆さんが話す場が無いだけ。

そう思って今日も仕事をして来ました。

私に出来るのは限られているけれど
皆さんのポテンシャルと合わせると強い。
人って弱いけど強い、
そう思った今日でした。
新しい方が、この環境に慣れてくれたら良いなと
願うばかりです。




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Noriko、やる気スイッチはありません
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