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みんなで泣いた日


『障害って事を理解してもらいたい』

始まりは利用者の方の発言からでした。
Wさんは幼少期から父親のDVで
学校にも通えず(包丁を振り回して警察沙汰)
何年もシェルター生活をおくっている方。
不登校で高校も行けず
私が働く就労移行に通所されています。

そんな小学校時代からの幼馴染が
Wさんが障害者だと知って
LINEを突然ブロックしたとの事。

『障害者なんかと一緒に居れないんだって』
と涙をポロポロと流しながら、
その幼馴染を貶したりする事も全くなく
ただただ寂しいと静かに泣かれる。

それを聞いていたIさん。
発達障害でご家族からも学校からも理解されず
小学校時代からずっと1人。
なんなら『お前は甘えてる』と
殴られたり、廊下に引き摺られたり。
『お前は私を苦しめるために生まれてきた』と
お母さんからも言われ育った。

子ども時代は普通になりたいが夢だった。

色んな記憶がフラッシュバックして
2人がオイオイ泣いてしまって
それを聞いていた他の利用者の方も
クスンクスンと涙が溢れる。

苦しかったよね。
辛かったよね。
わかるよって簡単には私には言えない。
ここに通所されている方は
何かしら大なり小なり傷付いた経験がある。

子どもの頃の夢が
普通になりたいって
そんな夢があるかって
そんな寂しい事があるかって
胸が痛くなりました。

Iさんの頑張りを半年だけど見てきました。
引きこもりから外に出て
人間不信からここまで自分の事を開示出来る様になって、
苦手な事も怖い、怖いけど挑戦してみますって
そんな一歩を確実に歩まれている。

辛かった事を言いながら泣かれる背中を
そっとさすりながら
『記憶は消せないよね。
消せないけど、もう1人で背負うものでも無いよ。
ここにはIさんの事を理解しようってしてくれる人がいるよ』って
一緒に泣いてきました。

支援員としてはダメダメ。

でも1人の人として泣きたかった。

『Iさんが小さい頃、辛かった悲しかった日々を
生きて今日までいてくれたから、こうやって出会えたと思う。それが私はとても嬉しい。
ありがとう』

そう言うとうんうんと頷いてくれました。

目に見えない障害ほど
当事者は苦しみを抱えています。
手帳はただの手帳でしかなくって
行政的なサービスを受けるための免罪符の様なもの。
それがあるからといって必ず周囲の理解が得られると言う事もありません。

ずっと児童養護施設で育ったと言う方がいます。
まだ20歳にならないけれど
とても冷静で、それでいてスレていない。
『自分のことを理解してくれない先生が居て
8年間ずっと苦しかったけど、ここに通う事になって、少しは自分の気持ちを察してくれたのかなと思う』
そう話してくれました。

いつもワイワイ笑ってふざけている私達も
1人ひとりが心に深い傷を持って生きている。

私もパニック障害だし吃音だし
でもそれが原因で現在は
生活に困っていないから手帳を取らないだけ。

障害ってスティグマなんかじゃない。

背の小さな人が
『俺、身長低いから、それが障害だから、その棚の上にあるやつ取って』とは言わない。
障害も同じだと思う。
自分では出来ないから、
出来る人にお願いする。
それだけだと思う。
言語化出来ない人は
出来る人が代わりにやったらいいと思う。

みんなの苦しみを聞いて
これこそを社会の人みんなに聞いてほしいと
思いました。
みんなの苦しみを発信していく
それも私の出来る事だと改めて思いました。

今日の事があるから
明日は少しフォローの面談をしたい。
今日みんなで流した涙を、それだけで終わらせたくない。

全力で何かをしたいと思う時
それと同時に自分の非力さに悲しくなります。
けど諦めたら終わりだから。




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