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母は、その感情を抑えなくてもいいと言った


先日、息子が修学旅行に行った、と言う事を
書きました。

その後に学校で振り返りの様な授業が
行われたらしいのですが
その時に、息子のクラスが少しザワっとした話を
してくれました。

彼のクラスには、ひまわり学級(支援クラス)の
Tさんと言う同級生がいます。
Tさんとは1年生の時に同じクラスだったので
私も記憶しているのですが
いつの学年からか、ひまわり学級に居るとの事でした。
学校の話をしてくれる中で
時々Tさんの話も出ていました。

不登校ぎみだと言う事や
5年生の時に頑張って九九を覚えている事など。
『ふぅん、そうなんだねー』
そう言うと、息子も
『頑張りよらすやん』と応えていました。

そのTさんの事でザワっとしたと言うのです。

『修学旅行で、事前調べとか色々あったのに
Tさんは全くやってなくって、千羽鶴とかも折ってなくて何もしてないのに、修学旅行の途中から参加して、楽しい事だけのイイトコドリやん』

そんな意見が飛び交ったようで
『狡い』『ウザい』
そんな言葉も出たと言うのです。


私はTさんの事を余り詳しくは知りません。
でもひまわり学級に居るというのは
何かしらの配慮を必要としているのは
想像します。
それに私は見ていました。
修学旅行から子ども達が帰って来て
学校に子ども達を迎えに行った時です。

先生に支えられるようにして
背の高い子が
シャツの袖を、むしってしまうのではないかと
そう思う程に引っ張りながら
ソワソワと立ったり座ったり落ち着かない様子だった事。

その子がTさんとは
その時は分かりませんでしたが
『あぁ、このザワザワとした人の多さか何かに
ものすごく反応しているんだな』と思いました。
それに
『モジモジしながらも、修学旅行の最後の挨拶に
参加したいって気持ちが強いのだな』と
凄いなと思い、見ていたのです。

そんな事を思い出しながら、息子に聞きました。
『みんながそう言う時、あなたはどう思ったの?』

息子は少し黙っていました。

『大勢の意見ではなく、あなた自身の気持ちを聞きたい。みんながそう言うから、とかで無く
あなたが思ったそのままで良いから』

そう言うと
『ちょっと狡いと思った』
そう答えてくれました。

確かに修学旅行前、色々な場所や史跡、
歴史や人物などについて自学を求められていました。
子ども達だけで市内の史跡を巡る
フィールドワークも地図を調べたり
距離やかかる時間を調べたりしていたのを
見聞きしていたので
彼の『狡い』と言う感情は
12歳なら仕方の無い事なのかも知れないと
思いました。

私は息子と
なぜTさんが準備や自学で調べたりしなかったのか
その事について話しました。
我儘でやらなかったのか。
好き勝手だからやらなかったのか。

息子は
『Tさんは、やっと九九を覚えて、今は割り算を頑張ってる。だから僕より覚えたりするのに時間がかかるんだと思う』

私は
『その狡い、と思った事を母は悪いとも、間違いだとも思わない』と言いました。
12歳の君が、今の経験から、今の世界から
思った事であり感情だから。
だから抑える必要は無いよ、と。

でも誰かと同じ事をしたいと思っても
同じ様に
同じ時に
同じ量を出来ない人も
この世界には沢山いるって事も忘れないで欲しい。

もし、1週間で5キロ痩せなさいって言われたら?
そう聞くと息子は無理無理と笑いました。

確かに無理かも知れない。
でもボクシングの選手だったり
人によっては1週間に5キロ減量出来る人も居る。
俺に出来るから、
じゃぁ、お前も出来るだろと言われたら
それは違うと思わない?
それに、俺が出来るんだから
出来ないお前は甘えてると言われても
違うでしょ?

そう言うと息子は頷きました。

『世界は色んな人で成り立っている。
 出来る人から見たら出来ない人が不思議とか
甘えているとか思ってしまうけど、
中にはそんな人もいるかも知れないけど
みんながみんな、そうじゃ無いって
覚えてくれてたら嬉しいよ』

そう言って話を終わりにしました。

息子に対して、どんな言葉だったら良かったのか
私が言った事が良かったのか、どうだったのか
分かりません。
ただ、私は彼の『狡い』と言う言葉も
間違いでは無いと思ったのです。
Tさんの事を特別な子や何か違う子と認識していれば、違う言葉や感情だったかも知れないのです。

息子もクラスの子達もTさんがひまわり学級だと
知っているのに
ではTさんにどんな配慮が必要なのか
全く知りません。
せっかく同じ学校で授業を受けている仲間なのに
それはとても残念だと思います。

障害の有無に関わらず
私たちは生きている上で
何かしらの配慮を他者から受けています。
それは目に見える形のものもあれば
日常の中に溶け込んでいて
配慮と言う認識すら無いものも多くあるのです。

私は息子の感情を抑えなくても良いと言いました。
逆に12歳の君が持った気持ちとして
大切に覚えておいて欲しいと。
彼の世界がどんどん広くなって
価値観や経験値が変化した時
12歳の時の自分を振り返って欲しいのです。

それは反省とか自戒とかでは無い
何か。

彼の人生に多くの人が交わり関わって来る事を
母は願っています。
そして色んな人がいる事は
この世界を豊かに
そして多彩なものにしているんだと思ってくれたら良いな。
自分と言う1ピースも
その中にあると分かってくれたら良いな。



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