寂しいときに聴いてしまう曲たち
わたしは傷口に塩を塗るのが好きだ。
小さな傷を無理やりこじ開けてしまう。
まっくろな空間で、
ひとつのキャンドルに火を灯し、
ひたすら深く深く沈むのだ。
嬉しいとき、悲しいとき、寂しいとき、
そんな時はいつも音楽が寄り添ってくれる。
今回は寂しいときに聴いてしまう音楽たち。
みずうみ 坂本真綾
ああ 恋をしたら世界中が煌めくはずだった
ああ さよならより遠い場所があると知らなかった
恋をすることが楽しくて煌めくだけのものじゃないのは分かっていたはずなのに。
辛くて苦しくて泣いてしまうときに、静かなメロディーと真綾さんのウィスパーボイスが優しくも暖かく寄り添ってくれる曲。
天使になっちゃった シェリル・ノーム starring May'n
惜しみなく女の子でいよう
フワフワ甘い毛布の中で
かわいく鳴けたら ごほうびをちょうだい
つまりわたしは 守るのでなく
守られたい
あなただけに
自分は惜しみなくかわいい女の子でいて、守られる存在であることを痛いくらいに思い出させてくれる。可愛いは女の子の特権。強がるのではなく、とびきり甘えて恋人の胸の中で眠ってしまいたくなる曲。
帰路 ゆいにしお
終に好きになったら同じ部屋に
居たいって思い、でも互いに違い
ふたり無駄に暗い場所にいたり
対になれなくて泣いてたり
なのに忘れてしまったから
幸せな空間から現実に帰ってしまうとき、恋人も家もまるごとずっと一緒にいたいのに、相手はきっとそうじゃなくて、自分だけがこんなに好きなのねと帰路で思ってしまうときに寄り添ってくれる曲。
浮気されたけどまだ好きって曲。 りりあ。
汚れた君は嫌いだ
君を汚したあいつも嫌いだ
なんとなく気付いていたけど
あたしだけじゃなかったんだよね
君にあげた【好き】を返してよ
付き合おうは2人で決めるのに、別れようは1人でも決めれるし、君にあげた【好き】はきっとわたしが勝手にあげて、押し付けたものだったのかもしれないと考えてしまったときに寄り添ってくれる曲。
恋人を想えば思うほど重すぎてしまって、
関係が壊れてしまったときに少しでも傷つかないようにと、つけられてもいない傷口をぐいぐいと無理やり広げて塩を塗っては、痛みに涙を流してしまう。
もしこの恋愛を失ってしまったら、
わたしはどうなってしまうのだろう。
音楽でまた恋人を思い出してはひどく泣いてしまうのではないだろうか。色んな音がわたしに寄り添って、色を失ってしまった世界に新しい色彩をもたらしてくれるのだろうか。
痛みが感じなくなる日まで、
きっとわたしは傷口を見つけてはそっと心に塩を塗る。