8の自動化、2の手作業

やたら「時短」「軽量」曰く「時短に軽量あっての顧客満足」。

呪縛のように躍起になる。これこそなんだと、信じ切る。決して信じて疑わない。「他社製品と比べ、当社の新製品は」「時間が掛かると嫌ですよね。ストレスになりますよね?」「軽い方がいいですね、出来るだけ」営業トークを並べ立てる。「軽過ぎて心許ない」「もう少し、重い方が」「存在感が欲しい」なんて言う客、いるはずがないとも思い込む。

公私共に、知らない間に我々は「自動化」。機械がするのに慣れている。

算盤でパチパチ何ぞ時代遅れ。電卓になさいよ、電卓に。昭和39年、東京五輪開催の年に発売された電卓は、時代の波に乗りに乗り、売れに売れた。珈琲を淹れる?ハンドルは手廻し?ミルで挽く?(それすら今は、自動化されていたりする)たまにはいいけど、インスタントがあるじゃない?気軽で美味しい、時間短縮。だからインスタント珈琲市場は、今でも潤う。

企業内では、大型裁断機、もとい。シュレッダーがドンと構える。大量に出る紙類の破棄方法ですら、完全無欠に機械化だ。だったらせめて私生活。家庭内では皆さん、手動ハンドル式かと思ったが、どうやら我が家だけらしい。

会計に掛かる時間が勿体ない、現金を触るのに抵抗があるとカード支払い、キャッシュレス。電車に乗るのも切符は買わずに、Suicaで払う。よって戦争、ならぬ「切符の買い方」。「切符の買い方を知らない子供達」が多いようだ。

2歳児のお絵描きですら、今や機械化には驚いた。画用紙とクレヨンを使うのではなく、使うのは電子ペンと、タブレット。延長線上の職業(?)漫画家も今や仕事は、それ専用のPC機能だ。

悲しいかな、これから増々傾向になろう。「時短」+「軽量」+「便利」=「タブレット」。意味は平面?どっこい生きてるシャツの中、平面ガエルのぴょん吉様とてもう少し凸凹。立体感がありましたゾ。動きましたもん、ひろしのシャツの中で。が、その動きすら「無駄」。時短にならないと世間は解釈するようだ。

悪く言えば「頭を使わず」「考えず」、自分の力で考えようとする自体すら「否(いな)」。拒絶。ヘンだと見られ、冷笑される日々が続くとどうなるか?ストレスだらけだ。

「歩くストレス」<考える>能力を奪われ、退化してしまっている人だらけとなってゆくのではあるまいか?いくら三連休を増やそうが、働き方改革をしようが、治るまい。

そうならない為に今、我々が出来る事。<8の自動化、2の手作業>大事な所は手作業。ちょっとしたひと手間を人間が担う。そうすれば触れる。感触が分かる。印象に残る。雑談のネタにもなって、素晴らしい。 <了>


#未来のためにできること

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