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超短編「Barの女の子」

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毎日Barに来ている、とある女性。 彼女の真っ白な言葉。 僕はその言葉をひたすら聞く。 お酒のお共に、いかがでしょうか。
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#メモ

「Barの女の子」(2)

「Barの女の子」(2)

この間ね、「銀河鉄道の夜」を読んだのよ。

私はあの物語で、誰が一番、悲劇なのかなと考えるとね
何度読み返しても「ザネリ」だと思うの。

誰かの代わりに犠牲になる人間がいて、犠牲者はそこで終わり。
でも、その"誰か"は生きているからね。残酷よね。

この物語の続きが、ザネリが少しでも救われるような、そんなお話であったことを心の底から祈っていたけど

でも作者も未完のまま死んでしまった。

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「Barの女の子」(1)

「Barの女の子」(1)

あなたは私?私はあなた?
もし私が死んだら、あなたも一緒に消えるのかしら?
それとも私だけが消えて、あなた達は生き続けるのかしら?本物なのかしら?

だって、私はどんなに懸命に頑張ったって、あなたにはなれないもの。
私の脳みそが作り出した偽物かもしれない。本物って誰が保証する?あなた?

だから真実なんて、うんと頑張ったって存在しないのよ。
真実なんてものが本当に存在してしまったらきっと、私も

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