見出し画像

【強制退社?】オランダのフレキシブルな働き方をすすめる企業

前回の記事ではオランダのワークライフバランスの現状と日本との比較についてお伝えしました。今回は、実際にオランダの有名企業が実際に社員が柔軟に働けるようにどんな取り組みをおこなっているかについてお伝えします。
前回の記事がまだの方はこちらから↓

はじめに

フレキシブル、という言葉は近年どんな場面でも多く使われるようになりましたよね。前回もお伝えしたように、パートタイム勤務が広く浸透しているオランダはヨーロッパの中でもとりわけフレキシブルだと言われています。
フレキシブル、というと勤務時間や場所の制限が少ないことを指すことが多いですが、社内のヒエラルキー(階級)においてもフレキシブルであることも多く、上下関係の少ないフラットな企業が多いそうです。これにより意見が言いやすく、自分の生活に合った働き方ができているのかもしれませんね。

いくつかの企業の事例を見る前に、多くの企業に共通しているものをご紹介。
それは、定時退社
定時になったら帰るのは普通ですが、、
なんとなく帰りづらい場合もありますよね。
しかし、ほとんどのオランダ人は定時でにこやかに帰ります。彼らは仕事とプライベートを分けて考えており、家庭での時間を大切にしています。オランダ人の夕食は家族そろって18時といわれているように、17時半以降は仕事を切り上げるのです。
そして家では仕事関連の連絡は基本しません。
すべての企業を知っているわけではありませんが、実際、ほとんどのお店は17時に閉店を迎えますし、筆者も17時半ごろオフィス街から自転車に乗って帰る人々の大群を毎日見かけるので納得です。

さて、ここからは実際の企業の事例を見ていきます。

ABN AMRO

ABN AMROはアムステルダムに本拠地を置く大手投資銀行です。新入社員は人事担当に、「在宅勤務やフレキシブル勤務、パートタイム勤務が可能か」が問われることがあるそうです。
フレキシブル勤務の可否を聞かれるなんてなかなかないですよね。柔軟な雇用条件は優秀な人材の獲得と能力発揮につながり、企業側と働く側双方にメリットがあると考えられているんだそうです。

ING

INGもオランダを本拠地とする多国籍銀行です。
INGはNew Approach to Working(Agile Way of Working/フレキシブルな働き方)という勤務時間や場所を社員が自由に決められる制度をコロナ禍以前の2012年から導入しています。
この当時からオンライン会議への移行も進めていたようで、社員のワークライフバランスの確立を促しました。
筆者も午後5時ごろに支店を訪れた際、従業員が1人程度しかおらず、「よい週末を~」と言って帰っていく社員たちを見たときは驚きました。

Philips

こちらもオランダに本拠地を置く電子機器会社。Philipsには2005年からリモートワークの制度があります。
また、Philips à la Carteという制度で休暇を購入することもできるそうです。

https://www.sompo-ri.co.jp/2022/03/03/4103/

Heldergroen

アムステルダムを拠点とするデザインスタジオのHeldergroenは従業員に午後6時以降の退社を呼びかけるだけではありません。
さすがデザインスタジオ、なんと、午後6時になると自動的にオフィスデスクが天井に物理的に持ち上げられ、収納されるデザインを導入し、話題になりました。
こちらの記事(英)に実際の写真が掲載されています↓

https://digitalsynopsis.com/design/heldergroen-amsterdam-office/

いかがでしたでしょうか?
実際、制度上はフレキシブルに働くことができてもいざ自分ができるか、と言われると難しいこともありますよね。その場合、最後に紹介した強制仕事終了デスクはかなり有効なのではないでしょうか?
次回はオランダにおいて女性の社会進出がどのように進んできたかについてお話しします。
それではまた次回、Tot Ziens!

7th Throwではオランダ移住・視察等のサポートを行っております。ご相談の際は弊社HPからご連絡ください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?