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ハウルの動く城 考察 「ハウルの動く城」が描くハウルとソフィの恋は、人間社会の縮図になっている

おはやうございまーーーーっす!今日はみんな大好きジブリ考察だよ!

いちばん好きなジブリ映画

私はノータイムでこう答えます。

「ハウルの動く城」

宮崎駿監督の代表作で、人気、興行収入ランキング的に考えると「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」「となりのトトロ」あたりでしょうかね?

私は2位が「もののけ姫」だと思っています。次点で「魔女の宅急便」「千と千尋の神隠し」かな。

「紅の豚」「天空の城ラピュタ」「風の谷のナウシカ」も、もちろん好きですよ。

「もののけ姫」は号泣不回避、意外とアシタカが自分勝手でいい男。

「千と千尋の神隠し」はジブリの中でも音楽がずば抜けていい。世界観がすばらしい。

もう全部すごいからあとは好みの問題だと思うんですよ。私はハウルですね。Blu-rayも持ってます。なので考察書いていくね。

私はハウルの動く城を学生の頃映画館で観ました。このときはあんまり印象に残っていませんでした。ジブリ映画の中でもすごく面白いとも思いませんでした。

昨年かな、気になってTUTAYAでBlu-ray借りてみたんですね。するとなんと感動しまして、自分でBlu-ray購入しました。

多分、大人のほうが胸打たれるんじゃないかな。

あと色々考える考察好きなオタクはハウルの動く城を評価する方向にあるともいます。

一般受けするかというと、それは、「千と千尋の神隠し」や「もののけ姫」のほうかな、と思うんですね。

ハウルは少し抽象的すぎる。物語よりもポエムにすら近いです。

それと、ハウルはね。2回見ないと良さがわからない。伏線が少し曖昧で、物語の主軸もベールに包まれているから理解するのに少し時間がかかります。

だからこそ考察しがいがあるなと思います。=オタク向け。

ただ、その前に素晴らしい考察記事をこちらに紹介させていただきます。

私はこの考察を踏まえてハウルを4回、5回と見た後、自分なりの考えみたいなのがやっとまとまってきたのでこの記事を書いています。

「ハウルの動く城」が描くハウルとソフィの恋は、人間社会の縮図になっている

私がたどり着いた結論はこれです。

宮崎駿はねもう人間じゃない。悟ってしまっています。仏です。この世の理を理解しすぎている。理解しすぎているだけでなく、それを物語として表現すらできる。もう人間技じゃない。

ハウルの動く城の褒めるべき点は多岐にわたりますが、一言で言うと、「社会の縮図」を「戦火の恋」を使ってうまく描いていること。

ハウルの動く城は大事な説明が一切ない。見た後の人はこう思うでしょう。

・なぜソフィの老婆になる呪いは解けたの?

・途中、ソフィの外観が若返ったり老婆になったりするのはなぜ?

・ハウルはなぜ(なにと)戦っているの?

・カルシファーとハウルは結局どういう関係?

・荒れ地の魔女がハウルの心臓を狙う理由は?

何も伏線回収されとらんやん……とね。※上記疑問はすべて後述

私も???が頭に浮か帯びましたよ。でも、それでも、すばらしいジブリの世界観で視聴者を楽しませる、没入感があるのが、流石宮崎駿の手腕だと思います。

意味は分からない。伏線は回収されない。でもなんとなく、まるでディズニーランドのアトラクションに乗った後のような、わくわく感があった。

こんな感じじゃないでしょうか?

でも、2回、3回とみていくとちゃんと意味は通っている。適当にそれっぽい世界が描かれているわけじゃないことが分かります。宮崎駿はあの曖昧な世界をちゃんと理解して一貫した物語として描いているんですね。んもう脱帽ですわ。

「社会の縮図」と私が言ったのはね、

男性(ハウル)は、愛する人(ソフィ)のために、世界を変えようとする

女性(ソフィ)は、愛する人(ハウル)のために、愛する人を守ろうとする

からです。

ハウルはどこかにいつも戦いに行っている。でもその理由も意味も相手も、ソフィには告げません。ハウルは、世界が戦争のある悲しい世界ではない、戦いのない平和な世界になってソフィに幸せになってもらいたいから。だから戦うんです。

なぜ? 僕はもう十分逃げた。ようやく守らなければならない者ができたんだ。君だ。

逃げるのをやめて世界を変えようと戦うのはソフィという存在があるから。

対してソフィはこういいます。

あの人は弱虫がいいの

世界が滅びようと構わない。ハウルさえ無事でいればいい。家族を守る女性らしい考えだと理解できました。

男性はいつも外を見ていて、女性は内を見ている。そうやって人間という生き物のバランスが取れている。性別とはそういう役割であると私は思います。そういう役割で生まれてきていると思います。ハウルの動く城は、まさにその理をきれいに描いているなと思います。

ハウルは何と戦っているのか?

ハウルの動く城を見るものはソフィの視点で物語を追いますよね。

だから、勝手に戦いにいって帰ってこないハウルがどこに何をしに行っているのか気になりますよね。そしてこの伏線は最後まで明確にされません。サリマンの追手と戦っているのか?それとも隣国(戦争相手)と戦っているのか?でもそんなこと重要じゃない。宮崎駿が言いたいのは、ハウルが誰と戦っているかじゃない。何のために戦っているかなんです。

ソフィの為に世界を平和にしようとしているだけ。戦争だろうがサリマンだろうが、そんなことはどうでもいいわけです。

ハウルの髪色の意味

ハウルと言えば金髪→黒髪ですよね。

髪色にもちゃーんと意味があります。

ハウルの髪色のまじないがおかしくなったのはソフィが風呂場の掃除をしたから、ということになっていますね。

真っ赤になって癇癪を起こし、落ち込んだ後、黒髪に落ち着きます。

ハウルの髪色がおかしくなる(風呂に入る)夜、ハウルは戦いから帰宅してカルシファーと話してから風呂場に上がります。そのときにソフィが寝ている姿を盗み見ます。ソフィは寝ている間魔法が解けて若い姿に戻っています。

※この時視聴者は後半、現在のソフィと幼少期のハウルが出会っていることを知らないので1回目の視聴では考察しようがないのですが2回目を見ると理解できてきます。

つまりこのときにハウルは幼少期のころ「未来で待ってて!」といった女性の声の正体が今家に居候しているソフィであることを知るんですね。

その証拠に、次の日(髪色が赤色に爆発した時ですが)から「ソフィさん」ではなく「ソフィ」とよんでいます。

そして有名なこのやりとり。

「うつくしくなかったら生きていたって仕方がない」「わたしなんか美しかったことなんか一度もないわ」

ん~ハウルの動く城は台詞も素晴らしいのですがこのやりとりなんか暗喩が暗喩をよんですごい深いよね~~。

ハウルはうつくしくなかったら生きていたって……というように猫かぶりの権化みたいなやつです。ここで答え。

建前(外面)=金髪

本音(本心)=黒髪

を現わしています。黒髪のハウルが本当のハウル。

前半の金髪のハウルを思い出してごらん!めちゃくちゃイケメンでレディファースト、隙がないフェミニストでしたよね?

だって知らないおばあさんが勝手に家に入って掃除婦を名乗っても動揺の一つもせず朝食を振舞う余裕っぷりですよ?

それが黒髪になったとたん、「サリマン先生が怖いから、ソフィ~代わりに王様のところにいってよ~」とか言い出す童心返りっぷり。

ソフィの前で黒髪になった=本音を出すようになったということを暗喩しています。そしてそのターニングポイントとなったのは、幼少期の女性がソフィであることにハウルが気づいたというシーンではないでしょうか?

そして「美しくなかったら生きていたって意味がない」とハウルが言っていたというのは、誰にも弱い自分をさらけ出せない性格を現わしています。それを変えたのはソフィ。「美しかったことなんて一度もない」。つまり、自分にできないことを当然とやっている(自分にないものを持つ)ソフィにハウルは惚れたんでしょうね。自分を救ってくれた相手の為に世界を変えようとする主人公。やっぱり男はいつの時代も、どんな世界でも、ヒーローですね。

髪色が変わるシーン、落ち込むハウルにソフィの一言。このセリフ私大好きなんですよね。

大丈夫よ。かんしゃくで死んだ人はいないわ

完璧に見えても本当は弱い部分もあるハウル。欠けている弱い部分を補うのがソフィ。そして名実ともに完璧になったハウルが救うのは世界。

ほーら。ハウルとソフィの恋って人間社会の縮図でしょ?

ソフィの見た目が老婆になったり若返ったりする理由と呪いが解けた理由

これはネットで調べて出てきた考察を信じているだけなんですけど、そもそも、荒れ地の魔女の呪いが「老婆になる呪いだ」なんて作中誰も言っていないんですね。

ソフィの心の年齢=見た目の年齢だという説を読んで、納得しました。最後ぼろぼろになって戦うハウルを救うためにカルシファーと取引するソフィはほとんど実年齢の見た目になっており、明確に自分の意思をもっています。

それまで父の家を継ぐため…長女だからなんとなく…自分の意思なく帽子屋をやっていたソフィはそこにはいない。まるでもう先行きが長くない老婆のような日常を繰り返していたソフィではなくなっていますよね。

呪いが解けた理由に関しては上述のようにどうなのかちょっと曖昧ですが、まあカルシファーが自由になったから(カルシファーとの取引成立)、とか勝手に納得しています。

カルシファーとハウルは結局どういう関係?

これは原作小説に答えがあるようですね。※ネット情報

星の子であるカルシファーは地上に振ると寿命が終わる=死んでしまう。

それを拾って、契約と引き換えに助けてあげたのがハウルということらしいですよ。ハウル意外と優しい子だったのね。

荒れ地の魔女がハウルの心臓を狙う理由は?

これもネットで調べました。

荒れ地の魔女もハウルと同様悪魔と契約し、強大な魔力を持っているから心臓がないらしいんですね。だからそれを補おうとして心臓を求めている。(らしい)

まぁ~ハウルの動く城、説明足らずもいいところだよね。原作小説読まないといろいろ分からないことが多い。

でも前述したように、そこがメッセージとして宮崎駿的に重要でないから説明していないんだろうね。全部説明していたら2時間に収まらないから。

私は邦画は一切見ないのですが、邦画は全部説明しがちでだるいからです。

ジブリ映画は洋画のように不要な説明を省いて、世界観とメッセージを伝えるという映画の主軸から絶対にブレない。だから好きです。全部の意味がわかることなんて重要じゃない。だって私たちが生きているうえで電子レンジの原理が分かっている人がどれくらいいますか?そういうことだよ。

名言集

一歩間違えばポエム映画にもなりかねないハウルの動く城。名言はたくさんありますのでメモしておきます。

①ソフィのポケットに入っていた荒れ地の魔女の紙に書かれた呪文

汝、ながれぼしをとらえしもの こころなきおとこ お前の心臓はわたしのものだ

これも2回見ればちゃんと意味が通っていることに気づきますよね~。

流れ星をとらえし=カルシファーを救った

こころなき=心臓を持たない

しっかし語呂もいいし言葉として美しい。

②カルシファー

オイラ、火薬の火は嫌いだよ。奴らには礼儀ってものがないからね

う~ん世界観。

③ハウルの名前

自由に生きるのにいるだけ

④荒れ地の魔女

あらだめよ。私は呪いはかけられるけど解けない魔女なの
男なんて仕方のないものだけどね 若い心臓はいいよ
いい火だねぇ よくこのうちを隠してる

⑤心臓が戻ったハウル

「こりゃひどい からだが石みたいだ」「そうなの、こころって重いの」

心って重いの……。

⑥隣国の王子

心変わりは人の世の常と申しますから

イイ男ねえ……。

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