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バッテリーⅡ あさのあつこ 感想

仕事がやばすぎてやばい647ですどうも。久しぶりにピンチです。もしかして、この間運を使い切ってしまったのか!?ってくらいやばいです。(笑)いや、笑えない。

気を取り直してバッテリーの感想を。

2巻はキャッチャー豪と一緒の中学に進学した巧と、中学野球部の話です。

唯我独尊、性格も一端のエースである巧は、中学で急に発生する社会化現象・上下関係に揉まれまくります。

これめっちゃ不思議だけど、中学から急に上下関係って発生するよね。私も小学生までは、先輩との関係ってあんまり明確じゃないし、そんなに関わりもない記憶しかないんだけど、中学になったら部活やらで絶対関わる。それに上下関係が発生しまくる!

私の中学には裏校則ってのがあって、一年・二年・三年でスカートの丈やらソックスの色、制服の着崩し方が明確に決まってるんですね。(校則の範囲内であっても一年がやってたら、生意気だ!とシメられる)知らずに着崩そうもんなら先輩に呼び出され、しばかれる。。。うん、今なら確実にニュースになるような平成初期~中期です。

そんな社会化現象にもちろんなじめるはずもない巧。でもさ、天才はなじめないもんだと思うのよ。

イミテーション・ゲームって映画を見てほしい。

この主人公のような、天才だと思うわけ。天才が社会になじんだら、その才能はなくなってしまうから、そのままでいいと思うよ。

変わり者だ、あの人可笑しい、と蔑まれてもさ、たった一つの才能が突出していれば周りは何も言えないわけだから。イチブトゼンブ(B’z)ですよ!

社会は一人では生きていけない凡人と弱者を守るためにあるもので、天才をつぶすためのものじゃないから、天才っていうのは規格外のところで飄々と一人で立っていればいいんだと思う。私はね。それを批判する凡人はまぁ……放っておけばいいけど……嫉妬って七つの大罪にも数えられる、抗えない人間の欲だから仕方ないけどね。。。

「ただ野球がしたい」巧はただそれだけ。人間関係とかどうでもいい。このスタンスがブレないのがいいなと私は思います。でも野球がチームプレーなのがね。ピッチャーが1点も入れられなくても、試合はドローにしかできない。皮肉ですよね。

巧の心理描写はすごく感情移入できます。先生とか先輩とかどうでもいいじゃん。ただ野球やろうぜっていうね。私もそうだったからすごく良く分かる。田舎の出身で、正直自分が世界の中心だと思っていた。ほとんど失敗しなかったし、自分でどうにかできないことはないと思っていた。でも、上京して世界は広いこと、自分が小さな田舎で周りに守られてきたことを知った。どうにかできないこともあるし、がんばっても”どうにかできない人”もいるってこと知ったんだよね。自分が何でもできちゃうんもんだからさ、出来ない人見ると、怠けてるとしか思えないんだよ。でも違うってのを知るわけ。

それで凹んで、突っ張っていた私は、20代前半のころ、実家に帰るたび「丸くなったね」って言われた。社会にもまれるってこういう事かーって思った。でもさ、今でも「変わってるね」って言われることもあるから、一応自我も保ててると思いたい(笑)

巧はさ、まだホームラン打たれたことないじゃん。

本当に強い人間はさ、ホームラン打たれたときに、立て直すため、必死に足掻ける人間のことだよ。

それでさ、ホームラン打たれても、自分を曲げないことだよ。

もしかしたら一度もホームランを打たれない天才はいるかもしれない。巧もそうかもしれない。

でも一度もホームラン打たれたことない天才はさ、目指せないでしょ。才能だから。ホームラン打たれてもへこたれないのはさ、努力次第でしょ。

巧には絶対自分を曲げてほしくないと思う。強気なままでいてほしいと思う。たとえ9回裏、1点差、ツーアウト満塁で打たれて負けて、自信を失っても、強気なままでいてほしいと思う。

社会に浸透してほしくないと思う。

一回くらいホームラン打たれても天才なんだって私に教えてほしいと思う。

私も自分は天才だって信じてたいからさ。

ただ野球がしたいという巧の思いを社会が拒んだとき、珍しく愚痴った巧にお爺ちゃんはこういいます。

「おまえは、人を褒めることもせんかわりに、悪くも言わんじゃろう。それが、今日はぐちぐち言うとる。めずらしいじゃないか」

そうだよ。すべてがうまくいっていて、何でもできる人っていうのは、誰も褒めず、誰も貶さない。

上手くいかず、弱い人間が、言い訳をするために他人を貶すんです。他人のせいにする。その気持ちだって、今の私にはわかる。自分のせいだって思うと精神的につらいもんね。

でもさ、悪口・愚痴を言う奴は、弱い人間だ。

巧、負けんなよ。

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