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パルプフィクション 感想 映画を語るうえで視聴すべき教養作品

パルプフィクション=三文小説
三文=くだらない

という意味だそうです。
有名なQ・タランティーノ監督の代表作。
私は見たことがありませんでした。
私の盲信する呪術廻戦の作者芥見先生が好きだとファンブックで回答していたので見てみるに至りました。もちろんタラちゃんの名前は知っていたけど、作品は見たことがなかったんだよね。

感想を一言で。
パルプフィクションやゴッドファーザーは耐久系でしょってのが私の結論です。

知っていれば映画が楽しめる(パロディや引用で使用されがちな超名作)けれども作品自体はそんなに面白くないってやつ。ゴッドファーザーなんか長い上に2作もあるからからマジで勘弁だよね。みたけどさぁ。
でも名作といわれるだけあってこの2作、駄作ではないんですよね。ゴッドファーザーは長くてしんどいけど面白くないわけではないし、パルプフィクションもまたしかり。そしてパルプフィクションの方が私はおしゃれで好きだし、これは2回以上見ないといけないスルメ系映画だなと思いました。(時系列シャッフルでうまいこと伏線ひそませてます。にくい!)

群像劇なうえに時系列シャッフル。マフィア系。
アニメみたいなことしやがるぜ。
しかしこの映画にインスピレーションを受けた作品はかなり多いのではないでしょうか?成田良悟のラノベの「バッカーノ」とかかなり似てると思ったなぁ。群像劇だしマフィアだし。

はじめ、だるいし長いな~~~と思ってたんだけどね。ボスの妻ミアが出てきたあたりから、ぐっと物語が動き出す感じがするんだよね。女優さんの魅力だろうか…?ミアの相手をするヴィンセントのキャラがだんだん立ってきて面白くなっていくんですよね。
さすが出演時間は短いにもかかわらず作品の顔になっているミアですね。

あと、なんか全体的に雰囲気がすごくいい。雰囲気映画ってやつですね。
そして、なんつーか英語で見たい映画だね。せりふ回しがきっとクールなんだけど字幕だとあまりその辺りが表現できておらず残念でならない。
多分私がアメリカ人だったらこの映画の評価はもっと高かったに違いない。

あとタランティーノは映画オタクらしいですが、映画オタクによる映画オタクのための作品だとネットとかでかかれていてなるほどとは思いました。
つまりステ振りがエンタメではなく作者の主張寄り(アート寄り)なんですよね。だからめっちゃ面白くて一瞬で終わった!って感じではないんです。
だからアクションシーンとかはまじでなんかおしゃれなんだよね。血とかバーンとかなってもなんか、おしゃれ。映画は映像美あってこそですから、監督のその辺のアートセンスはそこはかとないと思います。

そして三文小説というタイトル通り、ストーリーに意味やメッセージ性がないんですね。日本語でいえば「日常系(マフィアの)」って感じなんです。

私がこの作品すげぇなーとおもったのは、こんなに意味がない内容なのに観客を2時間半スクリーンの前に座らせるために、時系列シャッフルというギミックを使っているところ。
そしてそれが見事にはまっていること。ミステリ的にエンタメ要素追加してるんだよね。
時系列順にこの作品を見たら、きっと2時間半は耐えられないでしょう。
なるほどもう一回見てみようと思わせるほどのスルメ作品にしたのはこの時系列シャッフルというギミックがあってこそ。そこにすら美的センスを感じる。そんな作品です。

私はそこまで好きではないし、明らかに人を選ぶ作品ですが、映画好きの人は見た方がいいのは間違いないです。この作品を知っているいないで映画について語れることがかわる(知識が増える)という映画教養のための作品とすら言えますね。

あっそうそう。この作品を好きだと挙げた芥見先生は「おしゃれな映画通だと思われたい」という自意識強いんだろうことが垣間見えて笑ってしまいました。
このような作品を好きな映画だと挙げるのは「ミーハーな映画知識の浅い一般人と違った作品を面白いと思える感性を持った俺かっこいい」タイプだと思います。いや、名作なんだけどどう考えても一番じゃねえだろってなるもんネ。

大きく③つの物語が群像劇でつながる構成

以下、あらすじと構成のメモです。

カップルが「レストラン強盗」を計画する…①
ギャング2人(ヴィンセント・ジュールズ)が「スーツケース」を取り返しにいく…①
(ボスの妻ミアの足マッサージをした男がボスに半殺しにされた話をする→後にヴィンセントはミアにこの話の真相を聞きミアはマッサージではなく握手だと答える)
ボスがビッチに八百長試合を依頼…③
ビッチと入れ替わりでヴィンセントがボスに合う。なぜかスーツからラフなTシャツになってる…①
(ここでヴィンセントがビッチに突っかかる→映画後半ヴィンセントはビッチに殺される
ラフなTシャツに着替えている→車内で殺しをやったから…後半のシーン)
ヴィンセントが薬を買いに行く…②
ヴィンセントはボスの妻ミアの相手をしてレストランに行く…②
ミア薬をやりすぎて意識不明…②
ヴィンセントが”薬”屋に連れていき一命をとりとめる。ボスには内緒にすることを約束して”握手”する…②
(後半ヴィンセントは死亡)
ビッチの腕時計は曽祖父から受け継がれたラッキーな一品…③
ビッチの八百長試合、ビッチは相手を殺し、試合掛け金をいただいて逃亡する算段…③
逃亡仲間の恋人がビッチの腕時計をアパートに忘れる…③
ビッチギャングが待ち受けるアパートに戻る…③
ヴィンセントが待ち構えているが銃を置いてトイレ中。ビッチ運よくヴィンセントを射殺。車で戻っている途中ボスと遭遇。ボスをひき殺そうとするが事故する。逃げ込んだ店の店主にボスともども捕まり、仲間の警察官(ゲイ)が来てボスが犯されている間に運よく逃げる。が引き返してボスを救い、八百長試合のことをチャラにしてもらう。恋人と逃走してハッピーエンド…③
ギャング二人(ヴィンセント・ジュールズ)は運よく銃撃から逃れ無傷で「スーツケース」を取り戻す…①
途中人質を車内で射殺してしまう。掃除屋を読んで始末。ラフなTシャツに着替え。帰りの車がなくなったので「レストラン」で朝食…①
「レストラン」で強盗が始まる。…①
ジュールズは銃撃から運よく逃れられたことをきっかけに足を洗うことを決意し強盗に金をやり逃がす。「スーツケース」は取り返しボスのもとへ。冒頭に戻る…②
お金ゲット!命もある、二人で逃げる強盗カップル。ハッピーエンド!…①

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