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【唯一続いていること】出会って13年目の夫との仲⑨〜葛藤の果て〜

この記事では、飽き性な私が唯一続いている夫との仲について、出会った頃の出来事と感情(13年前の記憶)を言葉にしてみています。

前回のあらすじ

私は、電話をする彼の姿に見惚れてしまった自分に気がついた。


葛藤の果て

大変だ、と思った。
私が彼に惚れてしまったら、今までの心地良い関係性を自分の中で変えてしまうことになる。

できれば彼とはずっと良い関係でいたい。
私はすぐに感情に蓋をした。


なのに、ふと思った。
もし彼に、好きな人ができたら。

私はもう一緒に出掛けられないんだろうな、と。

胃のあたりがキュッと締め付けられる。
喪失感としか言いようがない。

できれば?

いや、違う。

私は彼を失いたくない。


自問自答の末、私はこの恋心を認めた。
生まれてこのかた、誰かに対して失いたくないなんて、思ったことはなかった。


たとえ今仲が良くても、いつかは別れが来るものだと思ってきた。

身を委ねるのでは無く、自分がしっかりしなければならないものだと思ってきた。

叶わないことがあっても、我慢、
そう、気づかれないように我慢しなければならないものだと思ってきた。


原因は、子供の頃、度々住む場所が変わったからかもしれない。

長女だったからかもしれない。

・・・可愛いね、ではなく、賢いね、ばかり言われるのが、コンプレックスだったからかもしれない。

・・・不幸自慢ではない。
私は、自分から、欲しい時に欲しいと言うのをやめてしまっていたな、と思った。



ああ、これは彼に好きな人ができるまでの短い恋かもしれない、と思った。

だけど。

こんな気持ちは一生に一回しかないだろう。

彼といる時の自分が、本当の自分になろう。


葛藤の果てに、そう決めたのだった。


つづく

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