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エッセイ

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2024年8月の記事一覧

予定日まで2か月を切った、今の心境。

予定日まで2か月を切った、今の心境。

なんだか最近、道端や店で見かける赤ちゃんや子どもを、以前にも増して無意識で目で追ってしまうようになったな、と気づいた。

職業病の一種なのか、以前からわたしは就学前や小学生の子どもたちを見かけると、ついつい「ああ、あの子は4歳くらいかな」「あの子は高学年だろうな」なんて瞬時かつ無意識に、年の頃を予想してしまう癖があった。

自分に娘ができるとわかってからは、さらにそこに様々な感情がよぎるようになっ

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メロンクリームソーダとおじいちゃん。

メロンクリームソーダとおじいちゃん。

メロンクリームソーダ、その姿を目にするたびになんて完成された飲み物なんだろうと、わたしは惚れ惚れしてしまう。

山奥の清流の如く透き通って煌めくエメラルドグリーン。そこに浮かぶ、ころんと丸い優しい乳白色。
頂上に乗っかるのは、不自然なほど艶やかな赤色のシロップ漬けサクランボ。

グリーンと乳白色の爽やかな色合いを、この赤色がきゅと全体を引き締めて、魅せている。

メロンクリームソーダをいただくとき

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下鴨神社、古本まつりと真夏の参拝。

下鴨神社、古本まつりと真夏の参拝。

数年前から気になっていた、夏の下鴨神社での古本まつり、今年ようやく訪れることができた。

…それにしても暑い。暑すぎる。

涼しい車内から出た身体には、もったりと湯のように身体を包む熱気は少々酷である。
古本市が並ぶ場所は、木陰になっているとはいえ、ところどころさんさんと日が差している。糺の森、と名づけられた自然豊かなここ。真昼は活動の盛りではないのか、頭上からは控えめな蝉の声が降ってくる。

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産休に入って、1番したいこと。

産休に入って、1番したいこと。

ついに、産休に入った。

毎年この時期は、さあそろそろ2学期が始まるぞ、と気を引き締める時期なのに、それがないなんてまだ夏休みが延長されているような不思議な気分だ。

約1か月前にあった終業式は、明日から夏休み!と1年で最も開放感に溢れた喜ばしい日のはずなのに、目の前の子どもたちと会えるのも、もしかしたらこれが最後かもしれない、と考えると無性にさみしいような悲しいような気持ちになった。

まるで、

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コロナ禍の影響、そして水難事故防止のために。

コロナ禍の影響、そして水難事故防止のために。

今朝、とてもとても苦しい夢を見た。
まるで、見た光景も感情も確かに起こったことのようにすごく鮮明な夢だった。

夢の中でわたしは、海が目の前すぐに見える学校で働いていた。休みの日、海で何人かで遊んでいた子どもたちの内1人が行方不明になっているという。みるみるうちに消防隊や警察が駆けつけ、騒がしくなる浜辺と学校。必死の捜索を試みるが、見つからない。

その時点でかなりの時間が経っており、その子の生存

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あさがお観察カードに並んだ点々の意味。

あさがお観察カードに並んだ点々の意味。

その日の生活科の学習の時間は、一人一人自分の植木鉢に植えたあさがおの成長の様子を観察カードに記入する活動だった。

るかちゃん(仮名)も今日は、こちらに顔を向けて静かに話を聞いている。

るかちゃんはダウン症の児童だ。
支援学級に在籍していて、まだ自分で平仮名を書いたり、感じたことを文章に表すことが難しい。

国語や算数の時間は、支援学級で彼女に合った内容やスピードで、支援学級担任の先生と学習して

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ジェンダーリビールの葛藤と結末。

ジェンダーリビールの葛藤と結末。

妊娠6か月を迎え、エコーで性別がわかる時期になった頃の話。

次の健診くらいでわかるんだろうか…?
と、健診に行く前からわたしはそわそわしていた。
正直、男の子、女の子どっちでもいい。
どっちでも同じくらいうれしい。
はっきり性別がわかると、より具体的にまめちゃん(わたしが名付けた赤ちゃんの愛称)に関する想像がはかどって楽しいに違いない。

健診のエコー中、
「性別、概ね分かったけど伝えようか?」

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わたしってば、喫茶店の招き猫。

わたしってば、喫茶店の招き猫。

「ここ、好きやと思う。」

そう友人から教えてもらった喫茶店が、出てくる食べ物といい、お店の雰囲気といい、わたしの好みドンピシャだった。

まず、お店に入る外装。
なにこのわくわく感。

内装もアンティークな調度品たちが堪らない。

様々な珈琲がある中で、「苦く重めのものではなく、軽めのがいいです」と伝えると丁寧に教えていただけた。

「マスター」と呼ぶに相応しい落ち着いた穏やかな物腰で、なんだか

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