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「物体は理想の形であるべき」というタイプのイヤイヤ期

2歳4ヶ月の息子は順調にイヤイヤ期を過ごしている。
数ヶ月前から「ちない(しない)ちない(しない)」と言って、食事や着替えやお風呂に入ることなどをしたがらずに反抗的な態度を取り始めていた。

しかしここのところイヤイヤ期の様子が微妙に変化してきたのである。
相変わらず「ちない(しない))」も言うこともある。

ただ最近のイヤイヤは「物は自分が思った形であるべき」ということによって発揮されている。

それはどのようなことかというと、例えば食事の時に、お皿の上の唐揚げが大きいので良かれと思って私が細かく切ってあげる。そうすると烈火のごとく怒るのである。

息子は唐揚げを手に取ってくっつけようとする。それが不可能だと分かると私に手渡してきて、元の形に戻せと訴えてくる。
そしてそれが無理だと分かると私から唐揚げを取り上げて、床に投げつける。

また、おやつの時に息子はお菓子の袋が開けられず、私に開けるように頼んできて開封してあげた時も怒った。

どうやら開け方が気に入らないのである。
いつものようにきれいに開いていなくて、端が少し切れてしまっている。
この時も元の形に戻せと要求してきたので、セロテープを貼って修復してみたが、そういうことではないばかりに、セロテープをやぶってお菓子をぶちまけて大騒ぎであった。

その他にも息子は自分が壊したおもちゃを直してくれとか、紙にペンで書いた線を消して元の白い紙に戻せなど次から次へと無理難題をふっかけてくる。

できるだけ要求に応えたり、無理なことは他のことに気持ちを向けて誤魔化したりしているのであるが、そんなことでは騙されなくもなっていて完璧に修復してくれと大泣きして訴えかけてくる。

なかなか対応している時は大変なのであるが、しかしこれは成長を感じる行動であるなとも思っている。

数ヶ月前まではとにかくこちらが何を言っても「ちない(しない)」でただの単純な拒否であった。何かを言われると反射的に拒否してしまうというような状態だったのである。

しかし最近の状況はきっと、息子が「物はいかなる時も正しい形であらなければいけない」という信念をもったのであろう。

例えば、息子は「おもちゃの車のタイヤは4つ付いているべきであり、いつもそうでなければいけない」とか「唐揚げは茶色く自分の手くらいの球形のものでありそれが正しい」とか「おやつの袋はきれいに開いているべき」というような思考になっている発達段階であると考えられる。

しかしまだ「車のおもちゃは4つタイヤが付いているが、壊れていてそうでない場合もある」とか「唐揚げはお父さんが勝手に切って、小さくしてしまうことがあり形が変わってしまうことがある」とか「不器用なお父さんがお菓子の袋をうまく開けられないことがある」などというように柔軟に考えることは難しいのだなと思う。

結果として自分が理想とする形から外れた物に対しては、なんとしてでも直さなければ気が済まない、というような状況が生まれているのだと考えている。

しかしこれは以前の反射的に「ちない(しない)」という反抗を示す段階から、ものごとのあるべき姿をイメージして、そのすがたになっていないと抗議するという段階に変わっていて、これはかなりの進化なのかもしれないと我が子のことながら思っている。

ちょっと発達心理学っぽい表現をするのならば、なんらかの刺激を受けると反射的に行動するという段階をこえて、なんらかの刺激を受けてそれに対して思考が働き、結果として行動するというような段階になってきたと言えよう。

ここでの思考は具体的には、頭の中で正しい形をイメージしてそれと目の前の物を比べるという行為だ。
表象能力が発達してきていると感じる。

いつもは大暴れする息子を宥めるのに必死ではあるが確実に成長していると捉えて、これからも子育てをしていこうと思う。

今日はどんな物を修復しろという依頼がきて、それが叶わないとどんな暴れ方をするのか不安ではあるが、「これも成長」と自分に言い聞かせて頑張りたい。

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