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change of pace.

何のきっかけもなく普段なら大して気にならないような事に振り回されて、気分落ちする事がある。もちろんきっかけがある時もあるけれど。

大抵の原因はわかっている。女特有のホルモンのバランスだ。ホルモンのバランスが良い時は大して繊細に受け止めたりしない事すら悲しくなったり、イラっとしたりしてしまう。その度になるべく私は自分の力で自分を整える行動をする事にしている。私は自分でdominant気質だと思っているので、人に振り回されたり、感情を揺さぶられる事が何よりも嫌いで、そうやっていつもの自分ではいられなくなる事は何よりもみっともなく思えてしまう。自分を嫌いになってしまう前になるべく早く自分を立て直したい。

気分転換の方法はいくつか持っていてその事についてここに少し書いて整理してみようかなと思う。

・川を見に行く

天気が良ければ、お気に入りの川2箇所のどちらかに向かう。コンビニでお酒を買って、橋の上または河原に腰掛けて飲みながら、水面をぼーっと見ていると気持ちが落ち着いて来る。水の流れに感情を重ねて、感情が流れていく事を感じる。川はずっとそこに水が立ち止まっていないから感情に重ねやすい。同じ水辺でも池や湖ではダメで、海も波が立つだけなので向いていない。川の水(感情)の流れに飛び込まずに上から見ているという認識を持って見つめ、感情を俯瞰しているような感覚を持つ。これは少しツイッターのタイムラインにも似ている。文字となった感情がどんどん流れて行っていつのまにか遠くなっていくところが川を見ているときの感覚と重なる。


・百貨店に高級品を見に行く

この時は本気で商品を見に来た感を出す為に完璧にお洒落をし、普段は使わないたった一つだけ持っている高級バッグと高級時計を身につけて行く。そして堂々とブランドのお店に入り、バッグやアクセサリー、靴などを見せて貰う。お店の人は買う気満々だと思ってチヤホヤしてくれるし、私を丁寧に扱ってくれるので最高に気分が上がる。大体平日の百貨店は店員さんは暇をしていて話し相手ができて時間が早く過ぎるほうが嬉しそうで、会話を長々としてくれる。商品を見せてもらい、一流の職人が手がけた高級品からのパワーを貰い「他のお店も見て検討してみます。色々とありがとうございました」とにこやかにお店を後にする。余裕が出た暁には買わせていただきますとも。と思いながら。これは「いつか購入できる人間になるぞ」という向上心も上がるし、お店の方に丁寧に扱われる事で自己肯定感も上がるので良い。

・甘いものを食べる

単にスーパーに売っているお菓子を食べるのではなく、ケーキが美味しいところでコーヒーをいただきながらゆっくり過ごす。甘いものという味覚の幸福感だけでなく、見た目からの目の幸福感とお店の空気感も重要だから。

・お酒を飲む

普段からお酒を飲むけれど、気分転換したい時は空間を完璧にして浸る。部屋を暗くしてLEDキャンドルを灯して、バーにかかっていそうな音楽をかけてゆったりする。そういう時ばかりに使うグラスはお気に入りの少し奮発したグラスと決めている。暗くすれば生活感も見えなくなるので良い。ほろ酔いになるまで確実に飲むと決めてお酒はロックで。スパークリングワインでテンションを上げるのも良し。

・涙する

真夜中に思い切り悲しい映画を見たり本を読んだり、今までに経験した悲しい出来事をわざと思い出して思い切り涙を流してみる。浸り切ることが大事。カタルシス効果なのか、朝は気分がスッキリすることが多い。

・マニキュアを塗り替える

マニキュアはいつも同じ色を塗っているが、同じ色でも仕上がりの質感やほんの僅かな色の違いで並べるとグラデーションになるくらいにいくつも持っているので、その中から気分に合った色に塗り替える。艶々になった爪が目に入ると心持ちも明るくなってくる気がする。

・下着か化粧品を買う

自分を綺麗に見せてくれるものを買う。この時は必ずデパートの化粧品売り場でビューティアドバイザーの方にメイクをしてもらう。化粧品も下着も買う場所は大体決まっているので、そのお店に行く時は大体気分落ちしてるときなのだけど、下着の試着をしたり、化粧品のお試しをしているうちに自己肯定感が上がって来るので、帰り道はお店の紙袋を見るだけで心が躍っている。

・美術館や博物館へ行く

人の手が作り出した物を見て、間接的に他人の存在を感じてみる。現代アートでもいいし昔のでも良いのだけど、そこに渦巻いたその作者の気持ちを感じると、誰だって色々な感情を持っているのだと思えるし、言葉じゃない分、直接的に心に突き刺さる事も感情を揺さぶられる事もなく、抽象的、概念的な感じでじんわりと自分の中に染み入る感じが心地よい。相当気持ちが疲れている時とか落ちている時は本や映画のように直接心を揺さぶられる事は余計に疲れてしまうので、敢えて避けるようにして穏やかに伝わって来るものが良いなと思う。

・高いところへ行って街を見下ろす

都庁とか六本木ヒルズとかそういったところへ出かけて街を見下ろすと、人間が本当に小さくて自分もその中の1人なのだと感じられる。川を見つめる事に通じるけれど、上から自分を俯瞰するとか意識だけを高いところに持っていくみたいな事を体ごと行ってみると地上にいる状態より気分を変える事が容易だったりする。

・日帰り温泉や銭湯に行く

これは色々な人がやっている気分転換かもしれない。お湯に浸かると気持ちも溶けていく気がするし、他の女性の体を観察したり、その人達の雑談に聞き耳たてたりするのも面白い。普段あまりぼーっとする事もないので、まっ裸になって何も考えずに過ごす時間が自分の充電に繋がる気がする。血の巡りが良くなることで自律神経が整えられて体から気分を変える動きになのではないかなとも思う。


ざっと記してみたけれど、たぶん自分で自分を労ってやったり、自分の感情を見つめて受け止められると気持ちが落ち着いて来るのだと思う。大昔に読んだ少女小説の中の登場人物の女の子が、失恋するたびに自分の葬式をして、女友達もそこに出席させるという場面があったけれど、感情の整理をつけるにはそういう「儀式」みたいなものがあると良いのかなというヒントになった。それと、その儀式を行ったら必ず気分を変えるのだという意志も必要かもしれないけれど。

気分落ちしてる時があっても、その儀式があって、今回はどれにしようかなとか思い始める時点でわりと冷静になっているし、どれもこれもそれを行えば気分転換できるとわかっているので、その行動を起こそうという事がまずは第一歩なのかもしれない。

私は常にdominantでいたいので、自分には主は居ない。だから自分を見つめるもう1人の自分を作り出してそれを主にするしかないのだし、そういった気質だという事を受け止めること、そしてそれを崩したくない自分のために自分1人で行える自分だけの儀式が必要なのだと思う。

うまく気分転換ができないと自分の生活をきちんと送れない。何よりもそうやって自分に甘えていつまでもダメな自分に浸り切る自分が嫌いだし、私は私を嫌いになりたくない。

これからももしかしたら儀式は増えるかもしれない。増えれば増えるほど選ぶ楽しみも増えて、そして気分転換も簡単になっていくのだと思う。そもそもこんなことで気分転換できるのだから自分自身が単純に出来ているのだとは思うのだが。そこはそういう単純な人間で良かったなと思う。