小説「ターコイズブルーのお月さま」3章
三章
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2025年10月26日日曜日
俺は、イチノセ・ダイに呼び出されて、廃部したはずの映画研究会の部室にいた。
部室には、俺とイチノセと、カタヤマ・ゲンキとタカハシ・タロウがいた。
サトウは、喫茶店“うみねこ”のアルバイトのために欠席だ。
「今から、コウジがこの前に撮影した8ミリフィルムを上映する。スクリーンないから、天井に画面を写すよ」
久しぶりに会ったイチノセは、廃部扱いだった映画研究部をなんらかのルートで復活させて、昔の部室まで使える手筈を整えていた。
「ここなら