V6と仕事

【四半世紀のアイドルファンが想うこと★V6★ vol.35】


人は、生まれてきたからには人生を楽しみたいし、そこに情熱を捧げられるものがあれば、なお充実するだろう。

学校で、もし、勉強して物を知ることが楽しかったり、スポーツが楽しかったり、いい友達や先生に恵まれたら、とても充実した学生生活になるだろう。とはいえ、なかなかそうはうまくいかないところ。でも、何がどうなれば楽しいかなっていうのは割と見えている。


大人になって働く場合はどうなんだろう。

私は若い頃は、お給料って、嫌なことを我慢してもらう対価だと思っていた。私の小さい頃、周りで仕事を楽しんでやっている大人は見当たらず、誰かが仕事の意義を教えてくれるなんてこともなかった。

それが、年齢を重ね、色んなところに住んで世界が広がったり、職場の人を見たり、仕事の本やテレビを見るようになって、だんだんと、「あれ?おかしくね?働く時間って一日の大半の時間を占めているのに、嫌なこと我慢しなきゃいけないことだけだったらおかしくない?」と思うようになった。

ただ、学生の時と違って、何をどうすれば楽しくなるのかは難しい。
そもそも仕事に就くこと自体や、仕事を選べないことも多い。

ただ、少しでも様子が見えたらちょっとずつでも楽しくするぞって、狙っておくのも悪くはないのかなと思う。


アイドルの仕事は、なりたい人が山のようにいる仕事で、ルックスやダンスなどの運動神経っていう才能が必要だ。
でも、才能だけでは楽しめないだろう。

V6の仕事は、一般人の私からしたら殿上人の仕事だが、地に足をつけるってところでは、ひょっとしたら共通項もあるんじゃないか。

坂本昌行くんは、最初にジャニーズに入った頃は、ダンスレッスンで「帰れ!」って怒られたら本当に帰っちゃったというくらいとんがってた。
一度事務所を辞めて、でもその間にアイドルの仕事の充実感などを感じたんだと思う、再び事務所に所属した。
その後は、やれることは何歳まででもやれるだけやろうという覚悟があったと本人が話していた記憶だ。ジャニーズシニア(という言い方が懐かしい)として頑張っていた。

坂本くんは、当時尋常じゃない人気の剛健コンビと一緒にV6でデビューすることには感謝だったそうだ。剛健のおかげで自分も同じ舞台に立てて同じ景色を見れる。
私は、坂本くんが時折「俺はこの立場を手放さないからな」と冗談まじりの顔で言うのが好きだ。


長野博くんも、坂本くんと経歴は似ている。ジャニーズに入って、一度離れてコンピュータの専門学校へ行って、再度事務所に戻ってきた。
長野くんは、イノッチや健くんほど表情に出さないが、いつも静かな情熱を感じる。仕事で手を抜いたところを見たことがない(もちろん他のメンバーが抜いてるって意味じゃないですよ)。
舞台を観に行っても確実に役を仕上げているのを感じる。
2010年の「りんご」という舞台は、実在の人物で、途中相当な艱難辛苦もある難しい役だったと思うが、長野くんの秘めた情熱で見事に作り上げていたと思う。舞台の後、主人公のモデルになった木村秋則さんについて調べちゃいましたもん。


仕事を楽しむって、どう考えるかとっても難しいけど、一つには、働いている時間に集中して、その成果物でお客さんに喜んでもらうことかなと思うようになってきた(そしてそれが正当にお金で評価されることもとても大事)。

どんな仕事にも必ずお客さんがいる。

V6は万単位のファンを喜ばせるが、そんな人数はとても無理でも、自分なりに目の前の一人のお客さんに少しでも喜んでもらうことはできるかもしれない。

坂本くんも長野くんも、そして他のメンバーも、ダンスのレッスン、テレビ番組の打ち合わせ、コンサートの構成を相談している時などは、少しでも我々ファンに喜んでもらおうってやってる。

彼らのレベルには到底及ばないが、地に足つけて少しずつってところは一緒かもしれないので、彼らが楽しそうに仕事をしてくれていれば、こちらも励まされるし、希望も持てる。

ファンになりたての頃は、彼らから楽しいことをもらいっぱなしで、基本今もそうなのだが、年食うと、若い時とはまた違った側面で彼らを見ることができるようにもなった気がする。それもまた楽しや。


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