「AC(アフターコロナ)」の時代

新型コロナウイルスがいつ収束するのか、今のところそれは誰にも分かりません。4月15日には、断続的なソーシャルディスタンシングの必要性は2022年まで続くかもしれないというハーバード大学の研究も出ています。とても不確実な未来が私たちを待ち受けていますが、一つ言えることは、現在も含めてコロナが蔓延した後の時代、いわゆる「AC(アフターコロナ)」の時代は、「BC(ビフォーコロナ)」とは人々の暮らし方や価値観が大きく変わっているということです。


オンライン教育が学びをもっとインクルーシブにする

同様のことは、雇用だけではなく教育の世界にもあてはまります。多くの学校が授業の提供をオンラインへと切り替えていますが、オンラインでの学習機会が増えることで、これまで教室の中に閉じ込められていた「知」へのアクセスがより多くの人々に開かれ、結果として地域や収入による教育機会格差の解消につながる可能性もあります。

また、教育というコンテンツがオンラインにアーカイブされることで、これまでリアルな教室のなかで「フロー」情報として提供されていた「知」の「ストック」化も可能となるだけではなく、これまで教育現場では曖昧にされてきた学習効果や受講生エンゲージメントの可視化、より透明性の高い教員評価なども実現できるようになり、教育の「質」向上にもつながる可能性があります。

「制限」がソーシャルイノベーションを加速する

新型コロナウイルスの感染により多くの人々が外出を自粛せざるをえなくなり、1日中自宅で過ごし、オンラインでコミュニケーションをとるというスタイルが一般化したことで、逆にこれまでなかった多くの新しいアイデアが生まれました。オンライン飲み会、オンラインオーケストラ、オンライン料理教室、オンライン入社式など、その例を挙げればきりがありません。これは、「制限」が人々のクリエイティビティを刺激し、イノベーションを加速させるということの証明でもあります。

いずれの取り組みもビフォーコロナの時代から実現自体は可能でしたが、そのアイデアを思いついたり、実際に実行しようという人はほとんどいませんでした。逆に言えば、コロナのような緊急時ではなく、平時から仮想的に同様の「制限」を課してみることで、新たなイノベーションの種を見つけることも可能となります。

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