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独断と偏見で選ぶ一冊~ワークマン式「しない経営」

40日ぶりの投稿ということで、今日は、数式無しで気軽に読める読書案内~最近読んだ印象深い1冊を独断と偏見で紹介したいと思います。

ズバリその本は

ワークマン式「しない経営」

(ワークマン専務取締役 土屋哲雄著/ダイヤモンド社/2020年10月)

私の過去記事やプロフィールから、ナゼあまり縁のなさそうなビジネス本?と思うかも知れません。キッカケは、全く違う分野(文系)の方に統計教育の話をした際に「ワークマンのExcel経営ありますよね」というコメントを頂いたこと。気になってすぐにネットで調べ、Amazonでポチッ♪…で、実際読んでみると、この本は
 ◆データ活用・データ分析に関心がある
 ◆数学・データサイエンス教育に関わる
という全ての人達におススメだったんです。


まず概略から。
この本は、新業態(ワークマンプラス)の成功に至ったワークマンの経営の2つの柱「しない経営」「Excel経営」を、詳細かつ熱く紹介したものです。読み物として単純に面白いんですが、この記事では「Excel経営」に焦点をあてることにします。そこに、データ活用・データ分析で大切なこと、そしてデータサイエンス教育の真髄を垣間見ることが出来ました👀

著者は、勘と経験の通用しない未知の業態に臨むための武器はデータ活用能力と考え、
全員参加型のデータ活用経営を目指し全社員向けデータ分析講習を始めました。
今や分析チームは社内で構成、他社が簡単にマネ出来ない強みを実現しています。

この本の私の鳥肌ポイントは次の2つ。
🐓①真髄はExcel活用、AIやデータサイエンティストは不要と言い切る点
🐓②企業風土を変えるデータ活用教育が素晴らしい点

まずは🐓①から。
「AIやデータサイエンス否定?」「Excel?笑」等々…誤解を招きかねないので、本文引用します。

エクセルのよさは使い勝手がいいことだ。データベースで簡単な分析ができ、いろいろな関数を使って自分の角度で分析・活用できる。分析はいろいろな切り口で行いたい。…(中略)…特別なソフトは必要ないし、突出したデータサイエンティストも必要ない。社員が自分の頭で考え、進化していくことが重要なのだ。…(中略)…わかったのは、私達がエクセルで分析した結果とAIが分析した結果はほぼ同じで、自分たちのやり方が通用するということだった。もう一つは、AI結果に辿り着くまでのプロセスがブラックボックスになっていて、微調整できない。…(中略)…エクセルを使うと、興味あるデータを自分で加工して分析できる。分析ソフトの定型分析だけを見ていると、頭の動きが固定化され、同じ発想しか出てこない

ワークマン式「しない経営」p165~166より抜粋

また、「紙オムツを買った人は一緒に缶ビールを買う傾向がある(缶ビールと紙おむつの購買に相関関係がある)からと言って紙オムツ売り場に缶ビールを置くのはふさわしくない。」というデータ分析の分野では有名な例を挙げて、混同されがちな相関関係と因果関係についても触れています。

「AとBは関係している」というのが相関関係であり、「AだからB」というのが因果関係だ。AIやデータサイエンティストは相関関係を導き出す。…(中略)…相関関係エクセルでも簡単に見つけられる。相関関係から因果関係を導き出すには、実験が必要だ。因果関係を証明するためには、実務を知らなければならない。つまり、現場の社員がデータを活用しなければならない。…(中略)…データ解析のプロは会社の実務にあまり興味がない。

ワークマン式「しない経営」p161~162より抜粋

次に🐓②データ活用教育。目的が「行動原則をデータにおくという企業風土へ変えること!」と明確で、そのためには全員参加でなければ意味がないのでExcel活用研修のレベルは高くしない。さらに、データ活用に「得意意識」を芽生えさせるため、例えば試験を平均90点の簡単なものにするというような「ほめて伸ばす」を基本に置いた教育。これは汎用性のある有効な教育方法で、実際に社員のデータ活用力を伸びているそうですが、こういうことが実行できる、やり切れるというのが素晴らしい❣


さて、ザッとワークマンの「しない経営」の紹介をしてきましたが、結局、Excel経営って私の実現したいこととかなり共通点があるのでビビッと来たのかも知れません。

左側の画像は、ビジネスグランプリで統計教育事業のプレゼンに用いたPowerPointの一部

そんなわけで、独断と偏見による書籍紹介でした!
ではまた~👋




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