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2020年5月の記事一覧
こどもは自分の病気をどこまで理解しているのだろうか
今まで、ニンタの病気がわかったときの感想や、食事制限に不安を覚える私の気持ちなどをつらつらと書いてきたが、その間、ニンタ本人はどうしていたか。
文章を読んでいると、そこに居ないんじゃないかと思うくらい何も書いていないが、ニンタはずーーーーっと、私の隣か膝の上に居た。あるいは、病室のベッドで添い寝をしていた。そしてかなりの存在感を発揮する手のかかりようだった。
入院が決まったときは幼稚園にも通っ
食べない子は、どうしたって食べない。それでも私は。
「ウチの子、全然ごはん食べないのよー」。は子育ての永遠の悩みである。私もその答えを知らない。けれど、その「全然ごはん食べないこども」に「病気の治療のために、残さず食べさせてください」と言われたら、どうするか?私は右往左往した。もしかしたら、病気じゃない、普通の子育てに通ずるヒントがあるかもしれないし、同じように病気の子の食事に悩む人と共感できることがあるかもしれない。
先に言ってしまうと、過ぎ去
全部目分量の主婦が、0.1gの計量に挑戦する
私は料理が苦手なわけではない。でも、お菓子作りは苦手だ。だって、お菓子はたいてい、計量しなければいけないから。そして計量を間違えると膨らまない、固まらない。これは食べ物ですか?何の冗談ですか?というモノがすぐ現れるから嫌なのだ。いや、そもそも計量自体が面倒だ。レシピを見ながら計っては入れ、計っては入れ…。知っている、料理が上達しない人の共通点は、計量を軽視していること。知っているからやらないわけで
もっとみる子育てつらい。共感だけじゃ救われない人に届け。
子育ての福祉サービスはあまり知られていないワンオペがどうとか、ツーオペでも無理ゲーとか、子育ての大変さはそこそこ世に知れ渡っていると思う。でも、「子育てを、福祉サービスに助けられました」という話はあまり聞かないな、と思う。
私は3人こどもがいて、2番目の子には持病と知的障害があるが、福祉サービスのおかげでなんとか生活できている。障害があったから助けてもらえたのでは?と思われるかもしれないのだけど
差別という訳じゃないんです
障害者差別解消法。
平成25年。私は、その法律が制定されたことを、自分とはあまり関係のないこととして聞いていたと思う。
全ての障害者が、障害者でない者と等しく、基本的人権を享有する個人としてその尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい生活を保障される権利を有する
車椅子の来店を断らないとか、そうだね、そういう国になってほしいよね、と良いニュースとして聞いた。
私がそのニュースを思い出したのは
ユメ先生はいつまでも待つ
ニンタ4歳。発達の遅れを引き起こしていた病名が発覚。その治療を、遠方の病院ですることを決めたのは、療育やリハビリが同時に受けられるから、ということも大きかった。
食事療法「修正アトキンス」の効果が現れるのは、最低でも3ヶ月かかると言われていた。もしかしたら、発達が進むかもしれないし、不機嫌な時間が減るかもしれない。かもしれないけど、少なくとも3ヶ月後。
食事療法の導入は40日間。つまり、その間
1年生は6歳じゃないとダメですか
新型コロナウイルスの影響で、休校が続いている。我が家も同じく。上の子いっちゃんと、今年小学1年生になったばかりのニンタは暇をもてあましている。ミコの保育園はかろうじて開園しているが、自粛で半分くらいの登園というところだ。
そこで突然出てきた「9月入学案」。これに賛成だとか反対だとか、何の専門家でもない、一介の主婦である私が意見するところではない。が、9月入学案の「問題点」として、報じられたリスト
夢にはばたけ、きょうだいよ。
ニンタの病気が一生治らない、とわかってから、当然私もニンタの将来を案じるようになった。大人になってから、ニンタはどうやって生活していくのだろう。
そんな話題を出すと、自分の知っている例として、身近な障害のある人の話をしてくれた人がいた。
「ご近所の親子で、お母さんに障害があるんだけど、お母さんのきょうだいが手伝いに来てて、それで子育てもできてるみたいだよ。だから、将来は、いっちゃんがそんなふう
もし、障害や病気がなかったら。
一番上の子、いっちゃんが「究極の選択」にハマっていたことがあった。例えば「①駐車場も無料でお店も広くてベビーカーもOKなんだけど、味はあんまりおいしくないラーメン屋さんと、②駐車場が小さくて有料でお店も狭くて、でもすごくおいしいラーメン屋さん、どっちに行く?」みたいな問いを出してくる。
ちなみに、私のその時の答えは①だった。そのときベビーカーは必須だったし、あんまりおいしくないラーメン屋でも、こ
障害者はエラいのか?
重い。このテーマは重い。あまり気が進まない。でも、障害のある子のことを書くなら一度は通らなければいけない気がするので書く。
私が10代の頃、「ゴーマニズム宣言」という漫画が売れていた。私は立ち読みでその存在を知り、それからは自分で買って読むほど、面白いと思った。
今まで学校で習ってきた歴史を疑えとか、薬害エイズ問題を追いかけたルポとか。誰とでも喧嘩上等の作者が痛快で、若い私はひきこまれた。
医者が女優だったら最強だ
2番目の子、ニンタが1歳で発作を起こしたとき、近所の総合病院で、てんかんが見つかった。担当してくれたのは、天海祐希のようなはっきりした目鼻立ちで、柔和な先生だった。仮に、天海先生と呼ばせてもらう。
天海先生は、「うちの病院には専門医が常勤していないから」と転院先を紹介してくれ、「大丈夫ですよ、お母さん心配しないで」となぐさめてくれた。初めて会った先生なのに、まるで長年通院した患者を見送るような、