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#読書

三月某日 書く速さ、読む速さ

三月某日 書く速さ、読む速さ

「あれはゆっくり書かれた本だから、ゆっくり読めばよいと思う。」

谷崎潤一郎の『細雪』について、尊敬する先輩がそう言った。

彼は文学の愛好家であり、同時に物語の書き手でもある。
本は読み手一辺倒、表現も発想も世界観も乏しいわたしからすれば、到底思いつかない文学の楽しみであった。

三月某日 書店「世界のジオラマ」

三月某日 書店「世界のジオラマ」

久しぶりに、都心の大型書店に足を運んだ。ワンフロアすべてが外国語の本で埋め尽くされた、某本屋である。
ほんとうは、階下の家具屋に用があったので、ついでついでに立ち寄った。
(さて、どこの書店でしょうか?正解は最後に。正解された方には、心の中で拍手を送ります。ご一報ください。)

本がたくさんある。なんといっても書店である。大量の本と、それらを収めるだけの書架が所狭しと並んでいる。

本のうち2~3

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十二月某日 趣味としての読書

十二月某日 趣味としての読書

師走である。(という書き出しで、実はもう5,6度も物を書いている。どれも書き終わらないまま放り出してしまった。)流行り病の時勢では例年ほどの「年の瀬」感もなく、師も自宅に篭らざるを得ないのがいささか寂しいような気分になる。

さて、日常会話や就職活動など、生活のさまざまな場面で「趣味はなんですか?」と問われることがある。大抵の場合、予期せぬタイミングで忘れた頃にやってくるのが厄介なものだ。

普段

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七月某日 ミステリーがお好き

七月某日 ミステリーがお好き

中学生頃まではミステリーが好きで、読むものの半分くらいは人が死ぬ話が占めていた。

ある時、一篇毎に死んでいる「人」は、まさに今、目の前にいる生身の人間と同一のものとして描かれているのだと気がついた。

それ以来、人が死ぬ話は少し苦手だ。

七月某日 O・ヘンリー

七月某日 O・ヘンリー

隙間時間にちょこちょことO・ヘンリーの短篇集を読み進めている。
ふと気になって新宿の紀伊國屋書店で買い求めたものだ。それまでは名前は聞いたことがあっても、作品を読んだことも手に取ったこともない作家だった。

思った以上に読みやすく、作品自体のテンポも展開も小気味よい。
いわゆる「古典」といわれるような類ではあるものの、全く古びた印象を与えない一冊だ。さながら星新一のショートショートを読んでいるよう

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六月某日 教材としてのヴァージニア・ウルフ

六月某日 教材としてのヴァージニア・ウルフ

私の出身高校は英語科の癖が強い。
必ずと言って良いほど、長文読解の教材が「イギリスの」有名作家の小説になる。例えば私の在学時には、サマセット・モームやロアルド・ダール、ジェームズ・ヒルトンの作品を取り扱った。グレートブリテン島の外の作家はトルーマン・カポーティ唯一であった。

今年度の題材はヴァージニア・ウルフらしい。ひょんなことからテキストを頂いて目を通したが、読後感の悪いこと悪いこと……。詳細

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